日本を離れて海外で暮らしていると日本語での活字離れが進む。
まぁ住む場所によって日本人の人口密度が高かったり、ある程度の日本人コミュニティが存在するような大都市であれば、それこそ日本で有名どころの大型書店が支店を出していたり、そうでなくとも個人経営規模での日本の書籍を扱う本屋さんがあったりするかも知れない。
モントリオール市街での事情はどうなのか?正直、詳しいことは知らないけれど、郊外に暮らす私にとって、日本で出版された新刊など、何の苦労も無くお目に掛かるような状況には無いのが残念。
インターネットや物流が進化した今の時代の恩恵で、多少の労力を払えば、勿論、どんな本でも手に入れる事は可能かと思うんだけど。
日本人同士のコミュニティでは、読んでしまって不要になった書籍の売買もネット上の掲示板や広告欄にあったり、ガレージセールで本も沢山売ります、みたいな広告があったり。
とりたてて「本の虫」と言うほど読書家でも無い私には、時々、日本からの人々が郵便で送って下さる文庫本の数々を、有り難くちまちまと少しずつ読ませて貰うってくらいのペースが何とも贅沢でいい感じだったり。
とまぁ、そんな日常にドサァーーーーっ!と大量の本が届いた。
全部が日本語、と言う訳では無いんだけど。
取り敢えず、その殆どは何かしらのアジア言語の出版物に厳選されている筈ではあるんだけれど、それでも多少の外国語版も混じって。
*言語に関係なくその表紙でタイトルが判明するのが面白い*
年に一度くらいの頻度でうちに大量の書籍がやって来る。
経由は義理の母。
元の出所は、カナダの航空会社。
そう、実に沢山のこれらの出版物は、世界中を飛び交う飛行機を利用する旅行者たちが、機内に(故意に)放置、或は意図せず置き去った忘れ物たちなのだった。
「忘れ物」であれば、それらは勿論、誰かの所有物であるから、ある一定の期間で保管され、持ち主(落とし主)が現れて申告されるのを待つらしいけれど、多くの場合、誰にも引き取られず処分されることになるらしい。
その時点で、勿論、「紙類」としてリサイクル処分してしまう事も可能だろうし、担当者にとって最も面倒の無い方法かと思うんだけど。
敢えて "reuse"(再利用)の道を選ぶところに善意を感じる。
新しい引き取り手を探すことによって、本として、まだまだ不特定多数の読者を楽しませる可能性が残されてる。
そうして、ある程度の言語別に仕分けされた本たちは、それぞれの言語に沿って適切と思われる人の手に渡るらしく、たまたま日本人の嫁を持つ義母のところに「日本語の本」を含む雑多なアジア系言語の本が届く、と言う訳。
なので実際は日本語に限らず、中国語や韓国語の本も多く、ペルシャ語とかスペイン語の本なども多少、混じってて面白い。
日本語以外の本はそれぞれ、適切と思われる第二、第三の引き取り手へと廻って行く予定で。
地元の McGill大学では毎年恒例のブックフェアー(一般から寄附された本を安価で売るバザー)ってのがあるし。
とにかく不要な本やモノを寄附する場所の選択肢は豊富にある。
取り敢えず、自分で読みそうかな?と思う日本語の本たちをずらっと並べて見た。
日本で最近どんな本が売れてるか?傾向を垣間見る感じ。
東野圭吾はやっぱりダントツ人気っぽい。。。?
いずれにしろ、ちょうど「読書の秋」に向かうところでもあり、何ともタイムリーな入荷(!?) が嬉しい。
ま、同時に、引越しの可能性があるタイミングでは荷物にもなるのではあるけれど。
取り敢えず、読み易そうなものから制覇して、読み終えたらまとめて寄附しよう。