2015年5月31日日曜日

魅惑の Fordite

前回、カタツムリの指輪について書いた流れで。

別の種類のジュエリーの話。

少し前から大好きなジュエリーの素材 "Fordite/フォーダイト"。

別称 "Detroit Agate/デトロイト・アガット"とも呼ばれるらしいけれど。

昨今はともかく、"Motor Town"として名高い都市、デトロイトには幾つもの自動車工場があって栄えた歴史がある訳だけど。

自動車を生産する過程での塗装の工程で、自動車のボディに塗装された塗料が地面に落ちて何層にも重なり合い、長い年月を経て地層のように縞模様を作ってた。

塗装技術も進歩したり、工場の閉鎖があったりで、近年になって地層状と化していた塗料の塊が発掘されて暫くの間は放置されてらしいんだけど。

ある時、誰かしらが、その断層の縞模様の綺麗さに着目し、削ってみたら思いの外ユニークで、複雑に混じり合った異なる色彩のそれは、自然界の天然石にも似て。

そんな Forditeを、ジュエリー・デザイナー達が見逃すはずもなく。

カットの仕方によって断層の模様の見え方が違うし、裏表での素材感も違うし、その時代の流行の色合いや、車種によって限定された色や、時にメタリックだったり、とにかく色んな要素の色合いが混じってるので、二つとして同じものは存在しない、と言う部分では「雪の結晶」と同様のファンタジーもあり。

まさに "One of a Kind"の個性と希少性を持った作品になる事は間違いなし。

そして私も、そんな Forditeの魅力に魅せられた一人。

Etsyでコロラド州のアーティスト:Nancyさんから Forditeの指輪を購入。

とても気に入って愛用してるのではあるけれど、とにかく、Fordite自体の色と柄の独自性には際限が無く、更に違った印象のものが欲しくなり、Etsyでカボーションとしての Forditeを見つけて、その「石」に見合ったデザインで「カスタム・メイド」として Nancyさんに指輪とペンダントを作って貰うことにした。

まずは、赤い「凹み」が面白くて気に入った緑色系のカボーション。


ペンダントの一部として、「長方形」が欲しくて、割りと少ない選択肢のカタチの中からミント・グリーンに赤色が入ったものを選択。


そして指輪には、既に持っている Nancyさん作のものが三角形に近い扇形で、色合いは黒を基調に青、黄緑、赤とペパーミント・グリーンが縞模様で入ったものなので、今回は全く違う印象の楕円形のもので、色合いも、ペンダントに合わせて赤味が入ってるもの、そして、メタリックが少し混じったものを選んだ。


3つのカボーションたちは、それぞれ全てコロラドの Nancyさんに直接送って貰ったので、私は作品が出来上がるまで実際の質感や色味を見る事は出来なかった。

それでも、自分なりに希望のラフ・スケッチを描いて Nancyさんに送り、メールでのやり取りを何度も重ねた。

指輪は、こんな雰囲気で。


ペンダントは、こんな感じで。。。と言う風に。


過去にモントリオールのアート・センターにて、ジュエリー製作の講座を受講した経験もあり、実は未だに、自分のジュエリーを自作したい欲求はあるんだけど。

ミネアポリスでも、ジュエリー製作のクラスがあるスタジオを見つけたりもしたし。

手を出したい気持ちは山々なのではあるけれど、、、うーん、、、それでもやっぱり自分で自分にブレーキを掛けてる。

それはやっぱり勿論、費用の事もあるし。

あとは時間と環境のこと。

今でさえ Fiberart全般、ラグ・フッキングにしろ、フェルティングにしろ、編物にしろ、あれこれやりたくて時間が足りない状態で、私の仕事場は、既にソーイング・ミシンやロック・ミシンをはじめ、布や毛糸やフェルトやの素材でごった返してる。

そんなところに更にジュエリー製作用の道具やら、高温でメタルを溶かす為のガスだのタンクだのと考えると、何だか今度は安全性にも注意しなければならないリスクを伴う作業だったりする現実もあり。

あぁーーー、今はやっぱり止めておこう。。。そんな結論。

だからこそ、自分で作ろうと思うあれやこれやの面倒や経費や労力を考えると、取り敢えず今の時点では、注文して第三者に創って貰う方が効率が良く、経済的。

まぁ、誰か他の人に創って貰う、、、と言う面で、100%自分のオリジナル性がそのまま寸分違わずデザインに再現される、のは不可能なのではあるけれど。

デザインを考える時、線や点や、ほんの少しの角度や、微妙な事は多い。

ディテール、、、つまり細部をどこまで突き詰めてこだわるのか。

ある面では "control freak"な私なので、可能であるならば、勿論、線や点や微妙な角度までこだわりたい。

でも、それは出来ないと解ってる。

だから普段は Etsyでも "Made to Order"(注文製作)の商品は買わない。

写真で見たのと、実際に創られて手元に届く商品との違いが果たしてどれ程なのか?その作家を知らない限り予想は不可能だから。

届いた商品にガッカリしたくない。

なので今回、Nancyさんへの注文でも、細部まで私が描いたデザイン・スケッチの通りに再現して貰う事は最初から望まず、飽くまでも「こんな感じで」と伝え、あとはジュエリー・デザイナーとしての彼女ならではの才能に任せた。

シェフの彼女に食材を揃え、あとはプロの彼女が好きなような料理して貰おう。

或は、映画ならば私がプロデューサーで、ディレクターの彼女に思う存分、好きなように自由に任せて撮影して貰おう。

そんなアプローチで。

そうして数週間、待ったあとに出来上がって来た指輪とペンダント。



Forditeをカボーションでしか、しかも写真でしか見てなかったから、実際にジュエリーとして作品になったのを見るのは新鮮な驚きで、ちょっとした感動。

へぇ〜!こんな風に仕上がるのかぁ〜〜〜って感じで。


まさにサプライズな、自分にとっての特別な自分への贈り物となった。

そして、カボーションを買った際には気付かなかったのではあるけれど、届いた指輪を手にして見ると、クリーム色のメタリックの一部が「♡型」で。

ちょっとした可愛い「おまけ」的に愛着を増す要素になった。








2015年5月29日金曜日

雨の日に届いたカタツムリ

昨日は夏の日のような暑さで、今シーズン初めてエアコンを稼働。

その後、夜のうちに結構な量での雨が降ったらしく、気温は格段に下がり。

雨上がりは土が湿って雑草が取り易いので、兼ねてから気になっていた家の全ての窓の外ガラスを洗うのと、草むしり作業をパッケージとして本日、午前中の課題に。

曇り空の中、作業をしてると時折、雨がぱらついたり。

ひと通りの仕事を終えて家の中に入ると、午後からは本格的な雨降りに。

日本のような雨期は無いにしろ、春先はやっぱり雨が多い。

なので当然、紫陽花が恋しくなったり。

カナダの家では玄関先の花壇に毎年、少しずつ気に入りの紫陽花を植えてたのが懐かしく、今頃、どうしてるのか?今年も花を付けるだろうか?想いを巡らせると、ちょっとだけ切ない気分。

今の家は仮住まいだから、ガーデニングへの情熱も無く残念。

昨日、造花の紫陽花を買って来て飾ったケド、まぁ、そんな事くらいしか出来ない。

汗をかいて泥だらけになった作業着を洗ったり、ゲストルームの準備などをしていたら、郵便配達のおじさんが配達にやって来た。

小さな小包があったので、あ!と思った通り。

Etsyで見つけて一目惚れ、注文しておいた指輪が届いた。

今の季節を反映した、「薔薇の小枝の上のカタツムリ」のデザイン。





ホンモノの薔薇の小枝を象ったブロンズ製の枝にはムーンストーンとコーラルの装飾、そしてカタツムリもブロンド製で、リングその他の部分が銀製。

もう普通の指輪では飽き足らないらしく、最近、欲しいと思うような指輪はヴィンテージのユニークなデザインだったり、あとは指輪デザイナーの個性を反映したオリジナル性の高いものだったり。

ジュエリーって、まさに "Wearable Art"の世界だと思う。

そして、"One of A Kind"の作品にこそ価値を見出してるこの頃。




2015年5月28日木曜日

羊毛の紫陽花

Textile Centerでのファイバーアートのグループに新しく仲間入りしたカトリーナさんは、現在インドに在住の妹さんと連携して、ビジネスとしても自身のブランドを立ち上げて商品の開発+販売をしたり、勢力的に活躍されてるそうで興味深い。

インドには綺麗なシルクの生地なども豊富そうなイメージだし。

インド、そして、テキスタイル・デザイン、、、と来て連想するのは私にとって馴染みの深いデザイナー April Cornellだったりするんだけど。

個人的に面識がある訳でなく、単に昔から、彼女のブランドのファンであり、彼女の店『La Cache』は大好きなブティックだった。

彼女がデザインした服飾雑貨の多くがインドで製作されたもので、彼女のブランドは現地の女性たちを教育、サポートしているという印象だった。

私にとって April Cornellさんはカナダの、モントリオール出身のデザイナーと言う認識だったので、一時期、彼女のビジネスが不振に陥って沢山の店舗(100店前後)の閉鎖に追い込まれたことは、とても残念に思っていた。

なので今でも時々、思い掛けず売られてる彼女のブランド商品を量販店の片隅に見つけたりなんかすると、何となく応援したいような気持ちに駆り立てられて買ってしまったりするんだけど。

私の中で、「カナダのローラ・アシュレイ」と思ってた彼女は、でも実は、現在は米国在住で、勢力的にビジネスの立ち直しを図ってるらしく、多くのアメリカ人にとって既に「アメリカのデザイナー」と受け止められるらしいのを知って、ちょっとした衝撃だったのではあるけれど。

何と、カトリーナさんは April Cornellさんとチームを組んで一緒に仕事をしてた時期が過去にあるらしく、ちょっとびっくりした。

だって私、April Cornell著の『Decorating with Color』と言う本まで持ってるし。

彼女のブランドのファンとしては、かなり遠い存在だった彼女が突然、間接的とは言え、身近に感じられた、と言うか。

いずれにしろ、カトリーナさん曰く、Textile Centerではビジネスから離れて、純粋に個人的な趣味としての手芸を楽しむのが目的で、メンバー同士でのお喋りを楽しんだり、触発し合ったり出来る時間は貴重なのだそう。

そんな彼女が作業中なのはフェルティングと刺繍で、私も久し振りにフェルティング、特にニードル+ウェット・フェルティングとか、してみたくなった。

少し前、Etsyでウクライナからの出店者が販売してた作品を凄く気に入って、買おうかどうしようか迷ってるうちに売れてしまったのが、フェルティングで作られたアイビーの葉やターコイズブルー系のフェルトの花々に、同系色のガラスのビーズなどを組み合わせて作ったネックレスだった。

とても綺麗な色合いだったので、何とか自分で再現してみたいと思うんだけど。

自分で作るからにはオリジナルのデザインで、何もかも好きなように作れるから、色合いだけを同様にして、花は何か別のものをモチーフにしたい気がした。

羊毛で「花」や「葉っぱ」を作るとなれば、まずは「型」でしょ!

ってので、クッキーカッターを物色しに、あちこち店を廻ってみたものの、意外と植物系のデザインのクッキーカッターを扱ってる店が無くてガッカリした。

手芸店の他、キッチン用品の店(Williams Sonomaとか)も覗いたンだけど。

もう最近は、店頭で商品が見つからない時は、Amazonか Etsyかに頼るって感じ。

Etsyで検索したら、かなりの選択肢があり。

買いました、、、クッキーカッターのセットを、Thailandから。

アイビーなどの葉ものは勿論、何と、嬉しいことに大好きな紫陽花の型まで!


*Etsyで買ったクッキーカッターがタイから届いた*
(上:紫陽花の葉と花  下:アイビーの葉)
(それぞれのセットが10ドル前後+送料)


今回は買わなかったものの、他にも「睡蓮」とか興味深い型が幾つもアリ。

色々とデザインの可能性も広がりそう。。。

で、取り敢えず、久し振りなので試行錯誤しつつ羊毛で紫陽花を試作。

*早速、紫陽花っぽいもの、、、を試作*


ようやく要領を思い出しつつあるところ。

まだまだ色合いの混ぜ具合に納得が行かないんだけど。

それでも作業は楽しくて楽しくて病み付き。

もう、庭の草むしりどころじゃないわっ!てな勢いで。

あ”ーーー、でも、やっぱり現実には辛い優先順位があるから。

Davidのシャツのアイロンも掛けなくちゃ、、、だし、とか、色々と。




2015年5月27日水曜日

海、編みました

*毛糸で編んだ海の風景*
(砂浜の上にはガラスの貝殻を置いてみた)
(直径16㎝程度)


刺繍用のフープを壁掛けの作品用に使うのはもう
既に Etsyで使い古されてる感はあるのだけど。

それでもやっぱりサイズとか手軽さが魅力で。

値段も2ドル前後と安価なので気軽に使えるのは善しとして、
値段ならではの粗悪品も多いので購入の際には注意深く吟味。

私的なリサーチの結論として
Michaelsで売られてる中国製のものよりも
Jo-Annで売られてる台湾製の方が品質が良い。

とにかく、何気に作った小作品を仕上げるのには最適♪


因に、雨模様の昨日とはうってかわって今日はお天気も良く気持ち良かった。

今シーズン初めての夏日ってくらいに気温も27℃前後まで上がって。

素足に靴を履いて出掛けられるのが快適。

窓を開けて網戸にして家の中に風を入れながら、ちょっとした片付け。

何しろ来週は義理の両親がやって来るから、慌ててその準備とか。

改めて普段、掃除に手を抜いてるってのを実感。

庭の芝生の上にもタンポポがあちこち伸び放題で。

Davidに

「両親が来る前に庭の草むしりとか、タンポポとか抜いた方が良い?」

とか訊いても、

「全然そんな心配ない」

とか言われて、言われたまま気を抜いてると、滞在中の義母が暇を持て余して突然、草むしりを始めたりするから(←去年の事例)、それも何だかなぁ〜と、嫁の立場としては微妙なのよねぇ。。。

「ラク」を取るのか、それとも嫁としての「プライド」を取るのか。

う〜ん、どちらも捨て難いから悩む。






2015年5月25日月曜日

懐メロを聴きながら

昨日のシリーズの続きで。

昨日のは直径が11cm程度のフープ。

今回のは直径が16cmのフープ。
ミックスメディアの壁掛け。

「楓の木のフクロウ」


Davidは割りと早くに寝てしまい。

Erikaのボーイフレンドが遊びに来て
夕食に皆で一緒にピザを食べたんだけど、
彼が帰って行くまでは起きてないとイケナイので。

(そのまま泊まって行かれても困る!)

私は独り静まり返った仕事場で思う存分にチクチクを楽しんでた。

控え目な音で CDを掛けながら。

何気なく選んだアルバムが妙に懐かしく。

*昔、モントリオールのHMVで買ったこのアルバムは
割りとフツーに店頭に並んでた記憶*


"JAPAN"として活躍してた頃の曲も入ってるんだけど。

何とも80年代的なテクノポップで
当時のイエロー・マジック・オーケストラに属した坂本龍一とコラボした曲とか。

当時の写真を見ると坂本龍一/Ryuichi Sakamotoも David Sylvianも若くて
当然なんだけど。

あの頃の自分自身の想い出と重なって
自分にとって青春時代の音楽を代表するのは
やっぱり80年代のテクノだったりするのかな〜、なんて。

あ、あとは勿論、ブリティッシュ・ロックもアリだけど。

時代を経ても David Sylvianの唄声は大好きで
聴くと涙が出そうな程、時代を逆戻りする事が出来るのは
音楽の力って凄い!と思う。


そんな、あれやこれやの懐かしい音楽を掛けながら作業する私の横を
16歳の Erikaと彼女のボーイフレンドが行ったり来たり。

お母さん、また「懐メロ」聴いてる。。。

とか思ってんのかなぁ〜。
なんてのを想像すると、ちょっと面白い。


あなた達が今、大好きで聴いてるロック・ミュージックも
いずれ「懐メロ」となるのだよ、なんて思いながら。

それらを懐かしく聴く頃、2015年の今現在の毎日の中から
切り取られた想い出の数々のあれやこれやの場面が
彼等の脳裏で蘇り駆け巡るんだろうけれど。

それらが彼等にとって愛すべき楽しい日々の想い出ばかりだといいな、と願う。


2015年5月24日日曜日

今日の手仕事:森の雨

雨の日曜日は外出の予定もなく手芸の手仕事が捗る。

Hoopの Wall Hanging Mini Art: Mixed Mediaは、
コットン生地にプリントされたフクロウを
別の生地(背景)にアップリケ。

棒編みした枝にはガラスの葉っぱを縫い付け。

ティアドロップ型のガラスのビーズは雨粒に見立てて。


タイトルは「森の雨」。





2015年5月23日土曜日

Trixie 編めた♪

来週の月曜は Memorial Dayの祝日で学校や企業がお休みになるのに加えて、子供たちは昨日、金曜日も学校が休みだったので彼等にとっては嬉しい4連休の今週末。

Kaitoはあと2週間で高校を卒業してしまうし、Erikaも2週半で夏休みに突入。

あ”ーーーーー、なんか信じられないけれど、またまた長い夏休みの日々の始まり。

毎日毎日ずーっと十代の子供たちが二人揃って家にいるなんて。

私は自分の気が狂わないか?今から心配。


少し前、Amazonで「自分の犬を編もう!」って本を買って、親戚の犬たちを3匹モデルに次々と編んだんだけど。

今回ようやく自分の犬が編めた。


じゃ〜〜〜ん♪ Trixieでーす♪


ちょっとだけ違う角度から。


そして後ろ姿。


ホンモノと一緒に寝かせてみた。


いや、ビミョーに違うのではあるけれど。

ま、自分の犬だから自己満足でいいや♪ってことで。


本の中で参考にしたのは、ボーダー・コリー。


実際にはピュアじゃなくて、ボーダー・コーリーとブラック・ラブラドールとジャーマン・シェパードその他が混じったミックスなので。


前回の3匹とは作り方のパターンが異なっていて、前回の3匹はボディが右と左の2ピースだったのが、今回は左右のボディに加え腹部の3ピース。

体に立体感の膨らみを持たせたデザインらしい。


まぁ全体的に真っ黒な Trixieなので、色を混ぜる必要が最低限な分、ラクではあったんだけど、でもやっぱり黒い色って夜間に綴じ合わせる作業とか、まるで編み目が見えなくて闇雲に縫い合わせた、って感じ。

それでも黒な分、縫い目も目立たないからいいんだけど、いずれにしろ。


4本の足に針金を入れながら縫い合わせる作業は、ちょっとだけテディベアを作る作業と似ていて、昔、何体かベアを作った手法が少しだけ役に立ったと言うか。

どんな作業も経験として、決して無駄にならないものだなぁ〜なんて改めて実感。



編みもの本の贈り物


今週の火曜日は Textile Centerへ行く日だったんだけど、任意での手芸のサークルの集まりだから、いつも顔触れはまちまち変化があって面白い。

冬の間をフロリダで過ごすウェンディさんが戻って来て、久々に復帰してたり。

同様にカリフォルニアで越冬するサンディさんも、近いうちに戻って来るらしいし。

そして新しく仲間に加わったカトリーナさんと初めて会ったり、季節的に参加するらしいジェーンさんとも顔を合わせて、色んな話が聞けたり、異なる手法の作品を見せて貰ったり出来るのは、とても良い刺激になった。

私は隔週で参加してるんだけど、あとからやって来たロクサーヌさんが私の顔を確認すると、何やら嬉しそうにニコニコとしながら抱えてた一冊の重たそうな大きな本を私に手渡した。


あら♪何だか面白そうな本ね、、、とか思ったら

「この本、あなたにあげようと思って持って来たの」

と言うのでビックリ!


えぇーっ!?何だかとっても高価そうな、綺麗な写真の頁が沢山の本なのに。


実は彼女、先週 "estate sale/エステート・セール"に出掛けた際、偶然に手に取ったこの本にざっと目を通した際、私の事が頭に浮かんだんだそうで。

(エステート・セールは、何でもかんでも不要なガラクタに近い物たちが売られるガレージ・セールとは一線を画し、ある程度の「お屋敷」などで開催される事も多く、高価なアンティーク家具や調度品などが売られる。多くの場合、家主が亡くなった際、身内が不動産を処分する準備の手始めに、故人が愛用した家財道具を全て処分するのが目的。価値のある掘り出し物も多くあったりするので、プロの業者が集まる事もあり、前日から待つ業者たちに整理券が配られたりする大規模なセールもあるとのこと)

そして、

「たった1ドルだったのよ〜」

って。

さすがだわ。。。ってのと同時に、嬉しくて感動〜!


新しい土地で特別に親しい女友達は未だいないけれど、それでもこうして定期的に顔を合わせて、お互いの事を触発し合ったり、思いやったりし合う複数の「仲間」がいるってのを実感して、本当に幸せな気分になった。


"Unexpected Knitting"(予想外の編物)は、まさに私の編物のスタイル!

いつも行き当たりばったりの気分次第で、ランダムな作品作りが主流。

綺麗な糸のコレクションの中から、あれこれと無作為に組み合わせて、"Free Form/フリー・フォーム"スタイルの作品を編んでみたいといつも思ってる。


まず頁を開けて目に飛び込んで来たコットン糸で編んだティーカップたちを見て、心が踊ってしまった。


可愛らしくて楽しい作品♪


あとは植物のデザインを編み込んだ作品とか。


編物で描く風景とか。


私が既に楽しみながら編んでる作品たちと共通のアイデアで。

持っているのが嬉しくなる本。




2015年5月17日日曜日

Sheep+Wool Festival

冬の間はずっと氷点下の気温が続き冬眠傾向の日々なので。

だからせっかくの週末と言っても家に籠りがちの出不精で怠惰に過ごすことも多い。

5月も中旬になってようやく冬眠から醒めて活動的になった感じ。

それを象徴するかのように、昨日、土曜日はとっても楽しい一日だった。

郊外の農場で開かれるウールの祭典に行きたい私と、郊外のサイクリング・ルートを長距離で自転車に乗りたい Davidと、お互いの目的を同時に叶える事が出来た。

車に Davidのリカンバント・バイクを積んで、Lake Elmoへ。

私が行って見たかったイベントは↓これ。


駐車場で Davidの自転車を下し、彼は60km程度のルートでのサイクリングに出発し、近くのレストランでお昼頃に落ち合う約束で。


羊とウールの祭典なので、綺麗な色の毛糸たちも沢山売られていて興奮した。


*手織りしたウールで作られた Margaret Stumpさんの作品*


販売だけでなく、色んな道具を使ったデモンストレーションとか、作品などの展示だとか、参加型のイベントやお教室など盛り沢山。

見所が沢山で、私は興奮し過ぎないよう冷静を保つ努力をしながら片っ端から見て歩いて、時折、めぼしい物があれば買物ってペースで。

盛り上がって買い過ぎるのも困るケド、年に一度のイベントにてのせっかく出逢いで買い逃しもしたくないしで、その辺りのバランスが難しい。


まずはラグ・フッキング用に欲しかった「肌色」のウール素材と、あとは綺麗な色合いの変わった混じり織り素材のウールを少しだけ購入@One Wing Wool。

*One Wing Woolのブースは綺麗な色のウールが沢山で
とても良くオーガナイズされて見易かった*


初めて出掛けるイベントなので、一体どんなものが売られているのか?どんな物を買う目的で行けばいいのか?漠然としてたのではあるけれど。

ウールと言えばやっぱり、取り敢えずの「毛糸」でしょ、って感じで。

綺麗で面白い素材感の糸を沢山売っていたブースに足を止めて暫し物色@Silver Creek Cabin。http://www.silvercreekcabin.com/index.html

目に付いたのは、Wales/ウェールズ製とか日本製とか、輸入糸ばかりで。

比較的、高価な糸だったので、一巻きで23ドルとか22ドルとか。

*左の紫色の糸は日本製で、「野呂栄作」の糸*
(16ドルの値段が付いてた)

高価なので、3つだけ買うつもりでレジに持って行ったら、付いてる値段は店頭で売られてた定価であって、このイベントでは定価に拘わらず一巻き10ドルなんだそうで嬉しいびっくり。

更に驚いたのは、一巻き10ドルなので3巻き買うと30ドルなんだけれど、でも、まとめて5巻き買うと20ドルなんだそう。

え”っ!??


北米では大抵の場合、まとめ買いするのがお得で。

例えばドーナツひとつ買うと1ドルの場合。

2つ買うと2ドル、3つ買うと3ドル、でも6つ買うと4ドルになる、とか。

そういうケースは多いから、だから敢えて複数買いするんだけど。


でも、ひとつ10ドルの毛糸が3つで30ドル、5つで20ドル、ってのは初めて。


なので勢いに任せて10巻き買って40ドル!

*これも日本製:「野呂栄作」でシルクが混じった糸*
(ツィードっぽい素材感と色合いがとっても気に入った)


*これらもウェールズ製でウール100%の粗く撚った糸たち*
(むら染めの色加減がとってもいい感じで綺麗)


透明の大きなビニール袋に入れられた10巻きの糸を持ち歩いてたので、会場ですれ違う多くの人達から「わぁ〜綺麗な糸ね!」とか「どのブースで買ったの?」とか、声を掛けられた。


あとは Wet Felting用の手染めのシルク素材を2枚ほど買ったり。

偶然に見つけたインド・シルクの Sari/サリのリボン糸も2色購入。

*Celestial Designs Fiber Artのブースにて購入*


White Bear Lakeのラグ・フッキング・ギルドの Patさんは、サリ・シルクのりぼんをフッキングした作品を作り、それがとても綺麗だったので、私も試してみたいと思ってた。

柔らかいウールとは異なる「シャリ」っとした素材感と、シルク特有の光沢のある色合いが冷たい感じの仕上がりになるのが面白いと思う。


会場を2〜3時間歩き廻ってる間、複数のフッキング仲間に行き会ったり、あとは会場に出店してた日本人の女性と出逢ったり、日本に12年間も暮らしたと言う織物作家の男性にも出逢ったりして、とても興味深かった。


同様に2〜3時間でサイクリングを楽しんだ Davidと近くのレストランで合流。

飾らないカントリースタイルのレストランで気取らないランチを食べて来た。

家に帰って、買って来た品々を並べると、どれもこれも本当に綺麗で眺めてるだけでうっとりと楽しくて、ちょっとした恍惚状態に陥り、はぁ〜っと萌え死にしそうな感じ。(←バカです)


2015年5月14日木曜日

変な家の変なフクロウ

今日は朝から小雨が降ったり止んだり、灰色の厚い雲に覆われた曇り空の一日。

気温は12℃前後で停滞。

こんな日は庭仕事に最適なので、今シーズン初の草むしりをした。

雨に濡れて青々と眩しい芝生のあちこち、ふてぶてしく根を張ったタンポポと格闘するのは後回し。

まずは玄関前のプランターに昨日、買って来たばかりのあれこれを埋め込んだ。

今回は、いつものプランターの脇に「たらい」も配置。

たらいには、メタル製のファンキーな「フクロウ」を配し、彼の周辺を色んな種類のサボテンと鶏頭その他の寄せ植え。

*ちょっとしたジオラマみたいな?*


何たって、この家の玄関ドアの枠の色が「蛍光イエロー」とすっ飛んでるし、家そのものがミッド・センチュリー・モダンのユニークなデザインだから、この際、どんなサイケなモノを飾っても大丈夫、、、ってノリ。


実際、最近の Erikaは学校の友達に車で家まで送って来て貰う機会も多いンだけど、彼女の色んな友達が、Erikaを送って来る度、

「えぇ〜、この家に住んでるの!?」

と驚き、

「この妙チクリンユニークな丸い家の前を通る度に、一体どんな人が住んでるんだろう?っていつも興味津々だったんだ。」

と言うんだそうで。

そして、その度に、

変な家に住んでるのは、やっぱり変なカナダ人だった〜!」

ってオチで。


Erika自身、希少な「カナダ人」ってのをいつも自虐ネタとして使ってるし。

カナダ人=珍しい=発音が違う=方言もある=ちょっと違う=やっぱり変の図式。


いずれにしろ、殺風景だった玄関ポーチもようやく春仕様。


当初、半年間だけ借りて住むつもりが、思い掛けず長い間で住み続ける事になり。

それでもやっぱり持ち家ではないから、なかなかガーデニングに精を出す張り合いもなかったんだけど。

庭や花壇に沢山の色とりどりの花々を植え込むことは出来ずとも、まるで放置された廃虚みたいな草ボーボーの家にも住みたくないから、ま、出来る範囲内で手入れや草むしりをして、取り敢えずの最低限快適な庭や住環境を維持して楽しみたいと思う。うん。


Mosaic Fish

*I used this knitting yarn for the tail*

ラグ・フッキングには通常、ウール素材の布を細切りにしたものを使うんだけど。

余談で、細く切った布を英語の人々は通称で "Worms/ミミズ"と呼ぶんだけど、日本語の私はアジアの食文化を反映してか、つい "Noodles/麺"とか間違って呼んでしまい、その度に思わず苦笑いしてる。


最近では、フッキングに色んな異素材を用いる人も多く、編物用の毛糸をフックするのも素材感が面白そうで、そのうち試したいとは思いながらも、実際の作品として仕上げる機会がこれまで無かった。

人魚のデザインをフックした際、尾びれにぴったりな色合いの毛糸があったので、この時とばかり試しにフックしてみたら、思った通りいい感じの風合いで嬉しかった。

単に毛糸とは言っては、フックするのに適したり適さなかったり太さや形状があるかと思うんだけど、ある程度の太さがあったり、平べったい形状だったりするのは向いてる気がする。

手触りの柔らかさや、毛糸ならではのフワフワとした仕上がりの素材感が私にとっては目新しくて、今後も色々と少しずつ実験的に試してみたいと思ってる。

まずは人魚デザインの流れで「魚」を思い付き、ランダムなモザイクのデザインでフックし、またまた尾びれの部分に人魚で使ったのと同じ毛糸を使用。

モコモコとした感じの仕上がり。


フックした部分はモチーフとして土台となる布に縫い付け、何かしらのアイテムに仕上がる予定ではあるけれど、果たしてそれがクッションカバーなのかトートバッグなのか?今の時点は未定。

あれやこれやの可能性があり過ぎて悩む。

そして新たにフッキングしたいデザインも山のようにあり。


今週末は郊外の羊の農場で「ウールの祭典」が開催されるらしく、初めて行って見るのを楽しみにしているところ。

手染めされたウール素材や、手撚りされた毛糸や、とにかく色んなウール関連のものが売られたり、編物やフェルティングなどの講座も沢山あるらしい。







2015年5月11日月曜日

Polar Bear

*My newest Mini Project: Polar Bear (mixed media)*


以前から、ラグ・フッキングの手法で編物用の毛糸をフックした作品を作って見たい欲求があったんだけど、なかなか試してみるデザインが無いままだった。

「人魚」のデザインをフックして、尾びれの部分にどうしても使って見たい色の毛糸があり、割りと幅広の平べったい糸だったこともあり、普通に細く切ったウール生地をフックするのと同様の作業が出来た。

その流れで、とても綺麗な青色系の太い毛糸をフックして見たくて、予めのデザインが無いまま、取り敢えず小さなスペースにフックしてみた。

青色なので単純に「海」のイメージってのは、いかにも、なのではあるけれど。

トロピカルな海の色じゃなく、氷河に近い海の色だったから、オーロラ効果のある白い毛糸(七色に光るメタリック素材が撚り込まれてる)を編んで、氷河に浮かぶ「氷」に見立てて縫い付けた。

当初、そこにペンギンをフックしようかと思ったけれど、それは北極グマに。

コットン生地にプリントされた柄をそのまま使ってアップリケに。

あとはフェルト素材に「氷」とか「雪」とかをイメージさせるガラスのビーズを縫い付け、所々に配置。

現時点での仕上がりサイズは 5.5" x 7.5"ってところ。

小さなポシェットに仕上げるか、壁掛けとして仕上げるか、考え中。



母の日 2015

ブログはエクササイズと似ていて、任意で自分に課した事なので容易にサボれる。

書く目的意識が薄れるとサボったまま、あっと言う間に1週間くらい過ぎてしまう。

取り敢えず書き続けて行く意向はあるのだけれど。

毎日が平和に幸せに過ぎて行くので、これと言ったドラマが無く。


デザイン・アイデアは止めどなく溢れて来て、それを手仕事の作業で片っ端から実現して行く事が出来ないもどかしさを感じながらも、とは言え、飽くまでも趣味の手芸術(手芸をアートに発展させた手仕事の意味で敢えてこう呼びたいと思う最近)の世界だからしてビジネスでも無いし、生活に影響を及ぼす訳でもないし、やっぱり自己満足の枠内だから結局はどーでもいいや、的に終わってしまうんだけど。

何かこう、もちっと真剣なレベルに発展させたい気持ちはあるんだけど。

Etsyには既に出店してるし、実際に数点の作品を売った経過はあるんだけど。

でもやっぱり自分はビジネス向きで無いし、器の小さい凡人なのを感じる。

だから結局、趣味の世界なんだけど。

趣味として手芸術に没頭するのは、時間的にも経済的にも罪悪感があったりするのは凡人故の専業主婦ってところなのか。

と、なんだかんだ葛藤しつつ、日々の生活に感謝。


そして「母の日」の日曜日も、取り立ててこれと言った事も無いながら、平和に有り難く過ごすことが出来た。

日本の母には「花キューピット」のサービスで鉢植えのカーネーションを送り。
(細かいことではあるけれど、"cupid"は音的に「キューピッド」の表記が正解だけど、ブランド表記としてはキューピットで普及してる模様)

カナダの義母にはグリーティング・カードを送り。

義母は来月ミネソタにやって来るので、その際に祝うことも出来るし。


私自身への母の日プレゼントはコレ↓

*デザート皿を重ねて置く "carry"なのか
鉢植えの花を置く "stand"なのか
まぁ、自由自在に使えば良いのだろうけれど。
いずれにしろ、
金属製の枠組みに陶製の小鳥が2羽付いてるの*
(高さが35cmくらい)


うちの場合は夫婦間での暗黙の了解として、気に入ったデザインのモノを見つけた際には自分で買って、「プレゼント」として相手から渡して貰えるように予め相手に手渡しておく、と言うのがあるんだけど。

だから今回も買って来た後、Davidに渡して数日保管された後、日曜日に「家族からのプレゼント」(←白々しいケド!)として晩ご飯の食卓で渡された。

結局、重要なのはプレゼンテーションのみ!って結論で、欲しいものは自分で選ぶのが一番、、、失敗もないし、だから返品+交換の手間も省けるし。


今回のプレゼントは、実はヴォランティア先のギフトショップで見つけたの。

ヴォランティア・スタッフは全商品20%オフで購入できる特典あり。

*改装前のギフトショップ*
(右手の辺りがレジカウンター)


私のシフトは隔週金曜日の9時半から12時半までの3時間だけなんだけど、シニア施設内だけに顧客にはシニアの入居者も多く、買物のついでにお喋りが長くなったり、商品を選ぶのにも時間が掛かったりで、実際に閉店するのが1時とか1時半くらいになってしまう事も多々アリ。

シニアを訪問する家族や、施設に勤務する医療従事者の顧客も多く、毎回、色んな人達とのやり取りがあるのは、専業主婦の私にとっては刺激的。


先週は香港出身でカンザスに住んでる女性が飛行機に乗って、入居中の母親に面会に来てたのだけど、旅費やホテルでの滞在費に1000ドル前後掛かってしまうので、せいぜい数ヶ月に一度しか面会に来られない、と話してたのが印象に残った。
(カラフルなスカーフを購入してくれた♪)


あとは施設の女性スタッフが彼女の弟さんのエピソードを話してくれたんだけど、彼は日本(鹿児島)に9年間も住んでいたんだそうで、日本人の彼女と結婚したかったらしいんだけど、彼女の両親から反対されて泣く泣く別れたんだそう。
(ビーチ用の麦わら帽子とサングラスを購入してくれた♪)


私が日本人なだけに、割りと多くの人々が「日本関連の話」をしてくれて、色んな人間ドラマに触れる機会にもなり興味深い。


ギフトショップは先月、内装工事をして売り場が少し広くなった。

新たに冷凍庫も完備し、予め個包装されたアイスクリームの販売も開始。

私は未だにレジ打ちや接客にあたふたとしながらも、少しずつ慣れて来てる。

ヴォランティアなので当然お金にはならないンだけど、お金では到底買うことの出来ないような社会勉強をさせて貰ってるって実感は大きい。

だからタダで働きながら、ありがたやー、ありがたやー、って感じで幸せ♪







2015年5月4日月曜日

メキシコ料理: La Casita

長年住み慣れたカナダを南下して、家族で初めてのアメリカ暮らしを体験してみると、色々と土地柄や文化的な違いでの発見が多く何かと刺激的。

ミネソタは国境を挟んでカナダと接してる分、気候的にも文化的にもカナダに似ていて、多分、アメリカ国内でも最もカナダに似通った州の一つかと思う。


それでも、今迄と違って新しい事の一つには「メキシコを身近に感じる」こと。


勿論カナダでも、コーンチップスや Avocado/アヴォカドで作った Guacamole/グァカモレなんかは極一般的にスナックとして食べてはいたけれど。

それでも、やっぱりアメリカで食べるメキシコ料理は何となくもっとホンモノっぽい雰囲気があるし、スーパーマーケットに並べられてる食品や食材の中にも、メキシコを身近に感じさせるようなものが沢山、種類豊富に揃ってるのを感じる。


瓶入りの salsa/サルサなんかにしても、勿論カナダでも色んな種類のが売られてはいたけれど、ここで売られてる種類やブランドの数の比ではない。

これまで試して来たサルサの中で、自分にとって一番美味しいと思える商品もここ、アメリカで見つけた。


言語の面では、フランス語が公用語だったケベック州でのストレスから開放されて、ここでは勿論、英語が公用語であり、見知らぬ人とも躊躇することなく取り敢えず英語での会話を切り出す事が出来るのは、本当に気楽で気軽で文字通り stress-freeな感じが良いんだけど、それでも「第二の言語」としてスペイン語の存在感は大きい。

カナダで買う商品は常に、英語とフランス語との説明が印刷された包装だったのに対して、アメリカで買う商品には時々、英語の他にスペイン語での印字がなされてる事も多い。

それだけやっぱりメキシコからの移民や滞在者が多いんだろうな、と。


さてさて、そんな訳で、勿論、この界隈にもメキシコ料理のレストランは多く。

毎週末、家族4人が順番でレストランを選択して外食かテイクアウトをする新しい習慣の我が家では、今週末 Davidの選択権で、彼が選んだのがメキシコ料理だった。

辛い料理が苦手な彼なのに、それでも何故かインド料理とかメキシコ料理とか、エスニックな料理が大好きなのよね。


今回、開拓した地元のレストランは『La Casita/ラ・カシタ』と言う店。

これまた家から車で5分程度の便利な場所が嬉しい。

初めて行くレストランには、いつもドキドキの期待感があって楽しいんだけど、この店は、一歩足を踏み入れた途端に、もの凄く明るい解放感があって、屋内なのに何処かの「中庭」に出てしまったような錯覚。


高い天井に陽気な音楽と人々の笑い声が響き渡って楽しい雰囲気。

テーブルについてメニューを見る間で、「お通し」的に運ばれて来たのは勿論コーンチップスとサルサの組み合わせで。


これに注文でグァカモレとケソ(チーズフォンデュみたいなディップ)を追加。

さすがに何もかもが自家製風で、新鮮に作られてる感じで美味しい♪


私の先入観で、メキシコ料理の種類はキリもなく多くない気がするんだけど、シンプルなメニューの中から選んだのは、グリルド・ステーキ・ファヒタ(Fajitas)。


鉄板の上で焼かれたステーキと、、、

*手前の器は、リフライド・ビーンズ:
豆を潰したものにチーズが乗って焼かれたもの*


トルティーヤに包んで食べる為の野菜やチーズのお皿と、

あとは小麦粉で作られたトルティーヤのラップが別のお皿で運ばれて来た。


こうして見るとやっぱりメキシコ料理ってシンプルな具材なんだな〜ってのを実感。

でも! 

どれもこれもが本当にシンプルに料理されただけで、とっても美味しいと感じた。


それで思い出したんだけど。

カナダのオンタリオ州に住んでた頃、Davidの同僚のメキシコ人(ホルヘさん)と家族ぐるみで親しくお付き合いしてたんだけど。

彼等の家での食事に初めて招かれた時、ふるまってくれたのが本格的なメキシコ料理で、馴染みのない私の目には、それが何だかとっても地味なものに映った。

今思えば、多分あれは自家製のトルティーヤで、小麦粉をこねて丁寧に作ってくれたものだったのだろうと思う。

何でもっと有り難くしみじみと味わって楽しまなかったんだろう。。。と後悔。

あの頃の私は今よりももっと無知で、文字通り"ignorant"だったと感じる。

今よりも若くて、(島国の)日本を離れたばかりで、異文化に対する理解や尊敬の念が浅かったんだろうな、と思う。

英語を何とか身につけなければ!ってのに必死で、フランス語は勿論、スペイン語に目をくれる余裕も無く、無我夢中だったんだろうって自分を思うと滑稽でもあり、少しだけ胸が痛む。


とにかく未だにメキシコ料理と言うと、ホルヘさん一家を懐かしく連想する。

純粋で「善人」を絵に描いたような人々だったので、何かと腹黒な自分のことが後ろめたいような気持ちにさせられ、無欲で正直な生き方について考える刺激を与えてくれたんだけど。


あ、余談で、子供たちは同行しない選択で家にあるもので昼食を賄い留守番。

十代の二人にとって、日曜日のランチに出掛けるのは面倒らしく、だからそのお陰で、Davidと私にとっては珍しく夫婦だけで外出するランデブーみたいな♪

実際、たまに二人だけで出掛けるのは新鮮な気分。

家ではいつも4人家族の「集団」って感じで、夫婦と言うよりは父親と母親って役割りの存在感が前面に立ってしまうので。

とは言え、その一方では、あと数年もしたらきっと子供たちは自立/独立して家を離れるだろうし、そうしたらまたずっと「老夫婦」二人だけの生活になってしまうんだなぁ〜なんてのも想像して、何だかそれも妙だし、寂しく静かな生活は未だ余りピンと来ず、想像し難い気もする。


とにかく二人で静かにのんびりと日曜日の昼食を楽しみ。

改めて北米での外食の特典に感じるのは、店で食べ残した料理の持ち帰り用の容器が貰えること。

店によって容器の質やデザインは異なるけれど、持ち帰り出来るのは嬉しい。


「お土産」的に持ち帰り、その日の晩ご飯に変身!


凄く合理的だし、経済的。


また一つ、お気に入りのレストランが出来たので、来月、義理の両親が来る際、彼等を連れて行ってあげようと思う。



おまけの話:

店の名前が「ラ・カシタ」なので、私がどうしても連想してしまうのが♪ラ・クカラチャ♪だったりして、思わず唄ってしまうんだけど。

それにつられて、Davidと Kaitoも一緒に唄ったりして。

キッチンで皆で揃って唄い出すのはいいとして、

♪ラ・クカラ〜チャ、ラ・クカラ〜チャっ!♪と元気よく唄うサビのあと、続く歌詞が分からず、、、映画『Bug's Life』のシーンみたいに顔を見合わせた後に取り敢えず、♪ラララララララ〜〜〜♪とやり過ごすのに大ウケ。




La Cucaracha、かのジプシー・キングスも唄ってました!