2017年12月24日日曜日

下半期の作品集 その2

Fiber Artist=手芸家の肩書きを意識した作品を作りつつ、それでも自分の中にはそれだけではない気持ちが強く、絵を描いたり、彫刻として3Dの立体作品を創りたい欲求がいつもある。

一つの手法/ミディアムに限定することなく、色んな手法を組み合わせ(Mixed Media)、色んな手法が出来る自分ならではこそのごちゃ混ぜ技法で混沌と、しかもオリジナルの発想で独自のデザイン作品を、イラストや絵を描くような自由な気分でのびのび開放的に、恐れず実験的なものを創って行きたいと思う。

完成度がどうか?ってのは問題でなく。

そんな流れで作る、キャンバス土台に表現した繊維作品。


*ニードル・フェルティングと刺繍とビーズとペインティング
色んな手法を組み合わせた Mixed Media作品たち*


そして、自分でもやっぱり大好きなのよねぇ〜を実感するのが人形作り。

*ニードル・フェルティングで作った
「ビーチで寛ぐ中年のカップル」*


特に女性の顔や表情を刺繍で作るのが好き。

髪や髪のスタイリングをニードル・フェルティングでするのも楽しくて、ちょっとした美容師の楽しみの感覚が愉しめるのを実感してる。

あとは小さな人形に合わせてミニチュアの小物をあしらうのが楽しい。

陶製のビーズでビールジョッキやアイス・モカチーノを Etsyで見つけて購入。


*小さな家のピンクッション*

*ニードル・フェルティングの羊*
(イベントで直ぐに売れてしまった)


*ニードル・フェルティングで作った海のモチーフを
流木や貝殻などと組み合わせたモビール*


*ニードル・フェルティングに刺繍した任意の顔の女性たち
(ピン・ブローチ)*


ラグ・フッキングのイベント会場で販売ブースをシェアする機会を意識して、ラグ・フッキングに用いるウール生地を使った手作りの布ビーズを幾つも作り、陶製のビーズやガラスのビーズなどと組み合わせてネックレスを幾つか作った。



客層が違った感の反省と共に、その機会には売れなかったものの、テキスタイル・センターのギフトショップでのクリスマス展にて、幾つか売れているらしく、コーディネーターのナンシー・Gさんが機嫌良く知らせてくれた。

ここでは売り上げの40%がセンターの収入となるので、私にとっては寄附と言うか貢献と言うか、センターに対する感謝の一環だと自負している。

作品の値段設定についても、ナンシー・Gさんに一任している。

彼女はかつてミネアポリスの美術館に勤務し、館内のギフトショップにも関わっていたらしいので、彼女の価値観や設定する価格に対して信頼しているので。

素人の私が適当に値段を付けるよりも妥当な気がしつつ、それでも、彼女の設定した値札の価格が「美術館プライス」(つまり「高っ!」てなショック)な現実に、多少の驚きを感じることはあるけれど。


フッキング仲間の家で目にした絵本がとっても素敵で気に入り、家に帰った後、検索してネット購入したのは、イラストの色合いが本当に綺麗だったから。


本当の中の秋の風景をウール素材で再現したいと思ってた矢先に、行きつけの気に入りの毛糸屋で秋色そのものに染められた羊毛ウールを見つけ即買い。

林檎の樹になる林檎たちを作りキャンバス内に縫い付けた。


羊毛や毛糸で絵を描くって感覚が自分にとっては一番好きな事のように感じる。


そんなこんなで季節はサンクスギビングやクリスマスを意識する時期へと変わり。

既にインスタグラムは勿論、ブログにもアップしてるので重複するのではあるけれど、クリスマス展と化したテキスタイル・センターのギャラリーで販売する為の商品を意識して、幾つかの作品づくりを楽しみ。

*ニードル・フェルティングしたクリスマスのモチーフを
ガーランドとしてまとめて鈴を付けた*

*ニードル・フェルティングの樹の幹と青い鳥、
ビーズの花やフェルトで作った茸で飾り*

*図案なしのフリーフォームで棒針編み、かぎ針編みしたツリーに
ニードル・フェルティングの青い鳥をピンにして♡のピンと共に刺した*


来年早々の1月に Stillwaterでラグ・フッキングの小さな発表展が1ヶ月ほどあり、作品の出展を誘われたので、私も3点で参加する予定。

テーマが「Flora and Fauna」(簡単に言うと「花と動物」)なので、何かしら花をあしらったデザインの作品を選び、あとは動物のデザインのもの、、、と考えたら、作り掛けの鶏があるのを思い出し、この機会に仕上げることに決め。

オリジナルは単身「サイケデリック・ルースター」だったのだけど、テーマに沿って文字通り「花」を添え、あとは同様にサイケデリックな「ヒヨコ」も追加。



ラグ・フッキングの作品展には当然のことながら沢山の「ラグ」が展示されるかと思うので、敢えてラグではなく、別のカタチの作品で参加しようという、何ともへそ曲がりと言うか、型破り?は大袈裟だとしても、とにかく流れに逆らうような目立ちたがり、って感じの自分に苦笑いな心境で。


現時点で、2018年に参加する作品展が既に3つ。

幸先良く、楽しみな1年となる予感いっぱいのこの気分に期待して年を越したいと思う。

明日はいよいよクリスマス!

余り実感がないけれど、でも冷蔵庫の中にはご馳走がいっぱいで幸せ♪

結局どんな行事も食べる事が最大の焦点なのよね〜。

因に、何故か急にケンタッキー・フライドチキンが食べたいのは錯覚なのかどうか、Davidに言ったら「さすがはニホンジン!」(日本ではクリスマスに食べるのが典型として、丸焼きの七面鳥を食べる国の人々に憐れまれてる現実)と笑われた。

今でも日本では人々がクリスマスにケンタッキー・フライドチキンを食べるのかどうか?ちょっと気になるところ。


下半期の作品集 

今年一年の作品を回顧する途中で、今日はクリスマス・イヴになってしまった。

と言っても、今年は帰省や旅行する訳でもなく、ゲストを招く予定もなく、ただ家で家族水入らずの静かでのんびり+怠惰なクリスマスなんだけど。

Davidと Kaitoは映画『The Shape of Water』を観に出掛けた。

さて、私は作品群の7月以降のまとめ。

やっぱり数が多いから下半期も分割。

盛夏の暑い真っ只中に私はいったい何をやってるんだ。。。と自虐的に自問自答しつつ毛糸との格闘の果てにようやく仕上げた手編みのカーディガン/ジャケット。


そもそものアイデアは、古い純毛=ウール100%のセーターやカーディガンをアップサイクリングするという主旨で、高温で普通の洗剤を用いて洗って縮めた(フェルティング)セーターをジョキジョキ切って、ロックミシンで縫製し、新たなアイテムに仕立て上げるというもので。

試して見たくてリサイクルショップに通い古いセーターを安価で買い集めたり、お下がりのロックミシンもテキスタイル・センターの仲間から譲り受け、着々と準備万端に向かってたんだけど。

古いセーターを故意に縮めてハサミで切り刻むと言う行為に対する心の準備が付いて行かず。。。何故か躊躇う気持ちを払拭する事が出来ずにいる。

なので、綺麗な色の毛糸が沢山あるので、端切れのピースを一から編んで、ロックミシンを掛けたみたいな仕上げにしてみよう♪ってのがきっかけで。

取り敢えず完成させたし、本人的にはとっても満足している。


かつてカナダのオンタリオ州で初めて購入して暮らした家のデザインの刺繍が、始めたままほったらかしになってたのを仕上げたのは、ミネソタの州祭にて発表する場があり、それが励みとなり動機となったお陰。


最終的に11点の作品を展示して貰い、9つの作品で受賞+りぼんを獲得。


賞金も少しだけ頂き、スポンサーになっている地元で有名な毛糸屋さんからの商品券($25)も商品として頂いたのは予想外で嬉しい収穫。


Etsyを通してカナダの出店者から購入する綺麗な色の銅製の針金をかぎ針編みしたり、ニードル・フェルティングの手法で作ったマーメイド・キャットに刺繍を施したものを組み合わせ、更にビーズや綺麗な糸で飾ったネックレスを幾つか作り、テキスタイル・センター内のギフトショップや、自分の Etsyショップに並べて販売。





夏も終わりに向かう頃にはハロウィンを意識して。

これまで趣味として好きな時に好きなものを作って来たのと違い、販売する目的を意識すると、季節や世間で人気の動向なんかも考慮して作業するようになったのが、自分にとっては目新しい事であり、更には作る「数」も意識して、たった一つを気ままに実験的に作る、というよりは、複数で作ることを念頭に置きながら効率の良い作業をに注意を払いつつ試作してみる、と言う感じで、これまた私にとっての大きな変化。


*ギフトショップ用に作ったハロウィンのデコレーション*


ハロウィンは大好きな季節のイベントなので、関連のアイテムを作るのは自分にとっても楽しく、小さなものをどんどんと作れた。

「季節のツリー」と「オーナメント」を作るのはイースターのと同様で、違うのは新たに「ピック」が加わったこと。

*ハロウィン・ツリー*


*デコレーションの「ピック」*


*デコレーションの「オーナメント/ハンギング」*

テラコッタの鉢に代えて、ハロウィンのツリーには黒くて丸い「魔女のCauldron/大釜」として売られてた陶製のポットがぴったりの雰囲気で気に入った。


ちょうどこの頃、ラグ・フッキングのイベントがあって、その会場で販売ブースをシェアする誘いがあり、二つ返事で承諾すると、そこで販売する為の商品作りもフル稼働で、88点の商品に値札を付けるのも、それなりに手間の掛かる作業だった。

Etsyともテキスタイル・センターのギフトショップとも違い、直接、顧客に接して作品を販売するのは色々と勉強するところがあり、感慨深く価値のある体験になった。

どんな人がどんな風にどんなものを気に入り購入してくれるのか?は本当に見当の付かない未知の事であり、何をターゲットにして物を作るのか?は永遠の謎に思える自分にとっての挑戦というか。



陶製の小さなケーキ台が幾つも手持ちの素材としてあったので、そのうち黒が基調のデザインのものを選び、ハロウィンのモチーフでデコレーションしたケーキ型のピンクッションを3つ作った。

イベントの会場で2つが売れ、1つは売れ残りとして家に持ち帰り。

残った1つを不憫に思いつつ、どーしたものか、と思ってた矢先、3つのうちの1つを購入してくれたハイディさん(同じメーリング・リスト上に名前のあるラグ・フッキング仲間)からメールがあり「友達に見せたらとても気に入ったらしく、彼女にプレゼントとしてあげたいんだけど」と言って、後日、わざわざ購入の為に家までやって来てくれた。

作った作品がシリーズとして完売する爽快感を初めて体験。いい気分♪


その他、ハロウィン関連の作品の一部。

*ニードル・フェルティングで作った「Crazy Cat Ladyの仮装」ブローチ*


*オーナメント*


*壁掛け*


*ハロウィン・オーナメント*


*ランプワークのガラスの頭蓋骨に胴体を作り、
花のビーズで飾った小さなガイコツ人形2点*


売れても売れなくてもハロウィンがテーマの作品作りは楽しい♪

つづく。。。



2017年12月21日木曜日

回顧2017 その2

今年の作業を振り返るつづき。


本格的な夏がやって来る頃は、ミネソタの州祭に出展する為の作品の準備に取り掛かり、果たしてどのカテゴリーに登録するのか?最終的に何点を出品するのか?考えながら素材を集めたり、作業を進めたり、プレゼンテーションを意識しながら作品を仕上げるのは、単に目的もなく純粋な趣味としての物作りよりも、明確な目標があってやり甲斐もあり、自分にとっての励みや動機になった。

この時点で既に、テキスタイル・センターで開催された作品展には3度(1月の「会員展」と3月の「プリンス・キルト展」と5月の「グループ展」)も参加したので、とても充実して幸せな上半期だった。

*初春の作品展の後、夏の展示も終えて手元に戻った作品*

*2018年はウィスコンシン州での作品展に出展される予定で
私の手元には無いプリンス*


それ以外で私の転機となったのは、テキスタイル・センターのスタッフであるケイティさんからのコミッションで、彼女の愛猫をニードル・フェルティングの手法で創作するというもので、作品に対する報酬を得るという体験が、それまで自分の中で意固地なほどに堅く閉じられていた扉を開くきっかけになった気がする。


テキスタイル・センターのナンシーさんから、会う度に声を掛けられ、センター内のギフトショップで販売する為の作品を作って欲しいと言う誘いと提案だったのだけど、私は、販売する為の作品を作るのには向いてないと確信していた。

それは作る全ての作品がオリジナルで一点物であるから、それなりの執着心もあり、手放すことが容易でなく、しかも売値に対する価値のバランスを図るのが不可能な気がしてた。

例えば、手提げ鞄のように使える作品を作ったとして、その機能や耐久性についてはまるで自信が無かったし、逆にオリジナリティのある芸術作品として手間ひまと丹精込めて作った作品に対して値段を付けるのが難しいと感じた。

それでも、興味半分、試験的に自作の作品をセンター内のギフトショップの棚に陳列して貰い、少しずつ、作品が売れて行き、ほんのわずかな金額ではあるものの、売り上げの60%を報酬として小切手で受け取ることは私にとって新鮮な達成感であり、新たな衝撃と快感と、次なるステップへの挑戦のきっかけとなった事は確か。

ある意味、新しい自分の可能性の発見というか。

自作の作品を手放すことにも慣れて来た。

テキスタイル・センター自体、人の流れが多くある訳ではないので、ギフトショップの売り上げ自体、大きくないとは思う。

しかも、来店する人の背景が割りと限定されているし。

そういう意味でも、一体どんなものが売れるのか?見当が付かない。

現在、自分なりにマーケティングの勉強中♪な感じで、学ぶところが大きい。


とにかく、作品に話を戻し、、、7月頃には夏らしい作品を完成させた。


毛糸を手にした際、ひと目で「タコ!」を連想した。

そんな糸を使い棒針で8つの脚の部分を編み、頭部をかぎ針編みで。

キャンバスに固定した後で、ガラス仕上げに見える塗料でペイント。


その後もニードル・フェルティングの作業が楽しく。

テーマを決めて幾つかの猫たちを作り、背景を設定して仕上げ。




ビーズやポンポンや、ミニチュアの小物を使うのも楽しく。

どこでどんな素材が役に立つか解らないので、益々ガラクタ集めの趣味に歯止めが効かない感じで、Etsy徘徊の趣味にも拍車が掛かり。

もはや作品を作るのと同様に、素材を集める趣味が楽しくて堪らない。


上半期の作品群終了〜♪




回顧2017

12月も三分の二が終了。

いよいよ今年1年を振り返る時期みたいで、インスタグラムでも多くの人々が「今年の傑作ベスト9」を発表してるのを見掛ける。

私はどうだったかな?と写真のアルバムでこの1年を振り返って見た。

作品が多過ぎて、だから細々と小さなものは除いて。

あとはやりかけのプロジェクトも多過ぎるので、飽くまでも完成させたもので、そして自分的に割りと納得して気に入っているもの限定で。

それでも写真数が多くなるので、上半期と下半期とに分けて、ここに記録として残してみようと思う。


すっかり自分でも忘れていたけれど、1月は割りと熱心にかぎ針編みをやっていたみたいで、薔薇の花を作ったり、♡型のリースを作ってみたりしてたのは2月のヴァレンタインズ・デーを意識してたから。

*左がかぎ針中心、右はフッキングした面も加えて*


春先はイースターの為の作品を仕上げた。

ウサギやひよこや卵にニンジンやマッシュルームなど。

*麻布を土台にフッキングしたパーツを飾り*


5月にミネアポリスのテキスタイル・センターにて、グループ展をすることが決まって以来、俄然やる気が湧いて集中的に作業が捗ったクリムトのシリーズ。

何故か作品を仕上げる手法として好きらしい傾向のある「箱に入れる」形態で、シャドウボックスとして完成させた3点は、ラグ・フッキング、刺繍、ビーディング、縫製、編物、かぎ針編み、ニードル・フェルティングを要所に駆使し組み合わせた、所謂ミックスド・メディア。

*通称『Woman in Gold』で有名なクリムトの作品
アデール・ブロックバウワーの肖像と、
グスタフ・クリムト画伯を彼の愛猫と一緒に加えて*


*『The Kiss』*


*『メーダ・プリマヴェージ』の肖像*


作品展の為の作業が無事に終了してほっとした後は、再び自分の好きなものを作る事に時間を費やせることに歓びを感じながら、試験的なもの作りをしたり。

仲間から譲り受けた彼女の作業から出てスクラップ布を使ってイメージを作ったり、伸縮性のある綺麗なプリント柄の布でフレームを覆ってみたり。




額に入れて仕上げる作品を作るのが楽しくて、プリンスの横顔も彼の大好きだった花ヴァイオレットを添えて仕上げてみた。

久し振りに足を運んだ画材店で、新しい感覚の、シリコン系やガラスのように仕上がる塗料を見つけ試さずにはいられず、わくわくとした気持ちいっぱいに作業したのが夏の初め頃のこと。




スクラップ素材を使ってイメージを表現する手法の延長は、ラグ・フッキングの際に出る「スニペット」の通称で呼ばれる切り落とされた細いウール生地を使った絵。

モザイク的に配置してメタリックの糸を用い固定。

行き当たりばったり的なイメージとして「2本の樹」に見えるかどうか。



写真が増えて、しかも長くなったので、ここでひと息。 

次回につづく。。。