病院に入院すると、取り敢えず必要になるのが「読み物」だったりするんだけど、去年の夏、日本へ帰省した際に仕入れて来た文庫本の中から、私がDavidに持って来て貰うよう頼んだのが村上春樹の『ノルウェイの森』㊤。
実はこれまで日本の男性作家の小説には余り興味が無くて、恥ずかしながら『ノルウェイの森』も読むのは今回が初めて。
読みながら、もし私がこの作品を発売当初、、、つまり、自分がもう少し若いうちに読んでいたら、随分と受け止め方や感じ方が違ったかも知れないと思い、ほんの少しだけ残念な気がした。
面白いのは、読みながら私の頭の中での主人公『ワタナベ君』のイメージが、どうしても Jesse Eisenberg になってしまった事。
(映画『Zombieland』や、この秋に公開される『The Social Network』などに主演)
私の中での『ワタナベ君』
*Jesse Eisenberg Google画像より*
強い感受性を秘めながらも、ある意味、平凡でどこにでもいそうな、けれどとても穏やかで寛容で、ツィードのジャケットが似合う好青年と言えば、もうズバリ彼以外には考えられない配役。
そして、快活でちょっと我が侭で髪の短い『緑』の役には映画『Twilight』の中でAlice役をした Ashley Greene のイメージ。
神出鬼没、自分の都合に合わせて『ワタナベ君』を振り回す感じ。
*Ashley Greene Google画像より*
『直子』と『レイコさん』さんは、残念ながらピッタリとイメージの合う役者が特別、浮かばなかった。
ただ、読んでいて不愉快だったのは、30代そこそこの『レイコさん』についての描写が、まるでシニアの女性みたいに書かれてる事。
数字として24〜25前後の若さを過ぎた女性は全てまとめて”おばさん類”に属させてしまう、日本独特の文化的背景を感じさせられて、正直ちょっとうんざりした。
とにかく、この小説も、元になったビートルズの曲の邦題も、最早『ノルウェイの森』以外には考えられないインパクトがあると言う意味では、必ずしも”誤訳”とは言えないのかも知れないと思う。
(まぁ、Wikipediaで見ると訳者が”誤訳”を認めてるらしいのは潔いけれど)
そもそも音楽の歌詞とか詩とか小説なんて、誰にでも納得が行くような訳が出来るはずはなく、飽くまでも訳者の感性によるところが大きいだろうし、だから単に
『Norwegian Wood』
とは言っても、それを正確に訳すには、作者であるジョンやポールの価値観や当時の生活を知らない限りは、隠語として可能な、周辺の意味合いを探るのは至難な技だろうと思う。
と言うか、正確な答えは作者のみが知るところであり、歌詞や詩の楽しみは、私たち受け手が”自分の好きなように”解釈する自由があるという事で、例えば、詩的な『Rain』とか『Darkness』とかをとって見ても、10人いれば10人それぞれの種類の「雨」や「闇」があるのと同じ事だと思う。
おまけに、それらは、受け手側の心の状態に依っても違って来る変動的なものだし。
折しも最近、日本で映画化されたようなので、いずれ機会があれば是非、観てみたいと思う。
2 件のコメント:
Ashley Greeneの映画はまだ見たことがありませんでした。
でも、ヌードは見てました。 笑。
http://celeb77.net/2009/08/post-496.html
とりあえず、次のインド出張で、「ノルウエーの森」を読みたいと思います。
LMさん
あら、そんなヌードが出回ってたとは!
彼女、ヘアスタイルの違いによって、まるで別人みたいな印象なのが、「バービードール」みたいで凄いなぁ〜と感心してしまいました。
やっぱり女性は容易く”化ける”事が可能なんだなぁ〜と。
ひょっとしたら「ノルウェーの森」で、良く眠れるかも知れませんしね♪(笑
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