2011年12月18日日曜日

Christmas Caroling @Hospital


土曜日は予定通りSte. Anne de BellevueのVeterans Hospitalへ。

趣旨は単純にボランティア(←慣用表記のカタカナ:正確にはVolunteer =ヴォランティアだけど)として
『退役軍人の為の療養施設を訪れ、クリスマスの歌を合唱して元気づける』
目的で、Newcomers Clubのメンバーたちの中から有志が10名程集まり、Sharleenをリーダー、Tammyをリードシンガー、Wendyの家を練習場所に、僅かな時間で集まり練習を重ねた。


普段「クリスマス」に対して余り宗教的な意味合いを感じない私ではあるけれど、今回『Christmas』を意識してChristmas Songsの歌詞の意味合いを再認識、或は初めて理解しながら歌う練習をしているうちに、本来のChristmasの由来とか意義とかを受け止める視点がちょっと変った気がするこの頃。

おまけに、ほんの軽いノリで今回のコーラス隊イベントに参加することにした際には、単純にChristmasの"Cheer"を"Share"するって目的(飽くまでも楽しいスピリット)で、「老人施設の慰問」くらいにしか考えてなかった。

そんなお気楽気分が一転したのは、12月9日付け(真珠湾攻撃記念日の翌日)の新聞記事で『Japan apologizes for PoW treatment』の見出しで始まる記事を読んだから。


カナダのトロント在住のGeorge MacDonell氏(89歳)は、かつて第二次世界大戦の際、カナダ兵士として香港で日本軍の捕虜になり、奴隷のように働かされ肉体的な暴力を受け、非人道的な暴行を目撃し、生き延びた退役軍人であり、当時の手記を1冊の本(「One Soldier's Story」にまとめ出版しているらしい。

日本政府が当時の捕虜に対する非道な扱いに対して謝罪、若しくは「遺憾」の意を示したらしいけれど、カナダ人兵士の目を通して見た当時の様子を回顧し描写された文章は、その残酷さに読むのも痛々しいほど辛く、今こうしてカナダに暮らす日本人として何とも複雑な、いたたまれないような気持ちにさせられた。

果たして私の祖先や親族の中に実際、戦時中、異国人の捕虜に対して残虐な行為を行った者がいるかどうか?なんて、知りようも無いのだけれど。

でも、同じ日本人の血を引く者として、ある程度での連帯責任みたいな罪の意識を覚えたりもして。

まぁ、だからと言って、罪滅ぼし、、、と言う訳ではないけれど、Veterans Hospitalへ向かう意味合いが、私自身の中で重いものになったのは事実。


結局、病院内では4つのホールで歌うことになり(つまり4回公演)それぞれの場所には、シニアの患者さん達が10名前後ずつ、座った車椅子を職員の方たちに押されて集まって下さり、年老いた彼等(女性も全体で僅か2〜3名いらしたけど)も皆、半世紀前には戦火を駆け抜けて戦い、生還した現実を思うと胸を打たれた。


私たちの合唱が始まっても、多くの患者さん達は反応が無かったり、まるで眠っているかのように目を閉じたままか無表情だったので、正直、意気消沈と言うか、自己満足の為のパフォーマンスな気がして戸惑った。

でも「Deck the Halls」「Hark! The Herald Angels Sing」と唄った後、手に持った鈴を鳴らしながら何とか元気に気を取り直し、楽しい気分で「Jingle Bells」を唄ってたら気がついた。

♪Jingle bells, jingle bells, Jingle all the way♪と、無表情ながらも、車椅子に座ったままの患者さん達の何人かが、聞こえないくらいの小さな声で私たちに合わせて一緒に唄ってることに!

感動で、「私たち自身の偽善的な自己満足なのかも?」の思いが大幅に払拭された瞬間。


意識がはっきりとしている人の中には、リズムに合わせて手拍子や踊って下さる患者さんがいたり、途中、職員の方も合唱に参加して下さったり。

最終的にはとても楽しく盛り上がり、皆、潤んだ目をして笑顔で「We wish you a Merry Christmas」を熱唱してた。


帰りに何度もお互い「Thank you!」とか「Merry Christmas!」とか挨拶を交わしながら、握手したり抱き合ったりする際、涙を流して喜んで下さる男性もいて感激してしまった。

そう言えば、「面会者が全く来ない患者もいる」って話しを義母から聞かされてたのを思い出したり。

そういう人にとっては私たちのような部外者の訪問でも、多少は「特別な訪問者のあった日」にする役に立てたかも知れない?なんて、またまた自己満足的に。


帰り際、職員の女性に訊いたら、現在入院中のシニアの退役軍人の数は410名だそうで、これに若い世代での、平和維持軍としてアフガニスタンで負傷した軍人の数が100〜200名(だったかな?)だそうで。

戦わずに済むような世界の平和を真摯にChristmasに祈ってみる。


♪Hail the heav'n-born Prince of Peace!
Hail the Son of Righteousness!
Light and life to all He brings
Risn' with healing in His wings
Mild He lays His glory by
Born that man no more must die
Born to raise the sons of earth
Born to give them second birth
Hark! The herald angels sing
"Glory to the newborn King."♪


2 件のコメント:

まゆみ さんのコメント...

お疲れさまでした。

読んでてドキドキ。パンナさんの気持ちと同化してるっていうか・・。最初の全く無表情な時にその様子を目の当たりにしながら歌ってる時の気持ちとか。

でも、それが少しずつ変わってきて、最後に皆さんと握手したり抱き合ったりしながら心通わせる場面とか・・。

クリスマスが近づき、今年がもうすぐ終わるんだという時、やはり争いや諍いのない平和な世の中でなければといけないとつくづく思います。

貴重な体験が、またMayumiさんの次のステップとなりますように。

Mayumi さんのコメント...

まゆみさん♪

ありがとうございます。

クリスマスイブの朝を迎えてます。
昨日は雪が降って一面、白銀の世界のまさに「Winter Wonder Land」って感じで。(笑
日本はひと足早くクリスマスを迎えているのですね。
サンタクロースが日本の上空を飛んでいる頃でしょうか。(笑
まゆみさんのおうちにもサンタクロースがやって来るといいですね♪

2012年ももうすぐ。
全ての人にとって穏やかに平和な世界だといいですよね。