日本旅行の回想記は8日目。
この日も早朝からのスタートでまずは白川郷へ向かい。
高台からまさに "valley"を見下ろす感じに "Gassho Style Village"の全景を眺めるのは圧巻だった。
そして実際に集落へ下りて村を興味深く散策。
ツアーグループ内では白川郷を Shirakawa "Go!"とか言って盛り上がりながらも、世界遺産の佇まいに感銘を受けつつ熱心に観て廻った。
あ!ここでも地方色を打ち出したデザインのマンホールの蓋を発見。
ツアーグループで団体として一緒に見学させて貰った合掌造りは「神田家」で、一歩足を踏み入れた途端、煙に包まれた独特の空気感(時代を重ねた家屋の木材や歴史ある調度品などが醸し出す微妙に混じり合った匂いや雰囲気とか)に包まれた。
歳月を経て燻され続けた感じの空間には、黒光りのする立派な木材で構成されたがっしりした造りの家屋の細部が剥き出しに見て取れたり、そもそも建築系の仕事に携わり建築デザインにはとても関心のある私にとって、屋根裏まで上がって家の隅々まで見ることの出来た今回の体験は、とても貴重なものになったし、義母に同行したお陰で図らずも初めてこの土地を訪れることが出来たのを嬉しく思った。
白川郷を訪れたのが4月の14日(日曜日)ということもあり、5月5日の子供の日を目の前に大きな鯉のぼりが飾られ、その横にはかなりの残雪もあり。
遥かモントリオール郊外の我が家の春の風景はどうだろう?なんて。
日本へ向かう日の朝にはまだ小雪が降ってたから、冬用のジャケットを着て来たのは正解で、長野から上高地を抜け飛騨高山、金沢までの観光で必要だった。
金沢に向かう途中での昼食はサービスエリアにて簡単に。
自動販売機で食券を買うスタイルで、義母と私はカレーライス。
日本人の私にとって難無くメニューを選択しさっさと食券も購入し料理を手配する訳だけど、他の外国人35名にとってはまるで異文化のことで、「食券を自動販売機」で買うってのも多分、目新しいことだったかも?でちょっとした "Chaos"な状態に。
なので勿論「はいはい、お節介で世話好きな日本人が通りますよ〜」ってな具合に再び私が登場、、、食券自販機の前でツアーグループの皆さんにメニューの説明やら味や内容物の説明も少しだけ、、、私のカレー↑が冷めないうちに食べられる範囲内で。
勿論、私たちのツアーガイド Mokoさんも皆さんを手伝ってる訳だけど、多勢に無勢な状況で、「外国人観光客(団体)相手のツアーガイドの仕事は大変だなぁ〜」と傍目に実感。
アメリカ人女性 Kさんなんて「海鮮丼」を食べてたけど、「ベジタリアン」メニューを薦めて貰った筈がソレになっててがっかりしてたし。
ほんと食の好みは人によって千差万別、アレルギーや宗教や倫理観、嗜好によっても偏好があったりするから、全ての人に応対して満足させるのは本当に困難なことだと思う。
特に日本国内では未だベジタリアン嗜好のメニュー("Vegan"用は特に)がかなり限定されてるし、ナッツやラクトス、グルテン不使用の食品意識も低いし、更に "Kosher"なんて言われた日には果たしてどの程度の認識率があるのか。。。謎だし。
ま、とにかく義母と私はカレーライスのデザートとして、もなかで包まれたアイスクリームを売店で買って食べて昼食完了。
バスに揺られて次なる観光地は金沢の名所、兼六園。
桜の見頃も終盤を迎え、散りゆく満開の桜を楽しめる最後の週末に辛うじて間に合った風で感慨もひとしお。
カナダからネットで桜の開花状況をずっとチェックしつつ、例年より早くどんどん北上して行く桜前線にドキドキ+ハラハラさせられてたけれど、それも過去の話。
現実に満開の桜を目の当たりにすることが出来た達成感と安堵。
咲き終えて散る桜の花びらに儚さを知る風情ある水面に、俳句でも出来そうな想いが浮かんだり。
そんな感情に触発された芸術的センスを発揮するタイミングで、金沢で有名な金箔細工に挑戦!
まずは好きなサイズとカタチの弁当箱を選ぶところから始め。
金箔を配したい場所に好きなデザインを選んで貼り付け。
極薄の金箔は表面の静電気に邪魔されて扱い難かった。
粉状の金や他の色も仕上げにパラパラと好みで掛けたり。
出来上がった作品は各自、記念のお土産として持ち帰り。
仕上がった弁当箱のデザインは各自それぞれに個性が出ていて、皆で見せ合って評価し合うのも面白かった。
中でもずば抜けて洗練されたデザインの弁当箱があったので
「うわっ、コレ誰の作品?すっごくカッコ良くて素敵!」
と私が真剣に褒めたら、それはプロが作った「見本」だったらしく大ウケ、グループの「笑い」を取って暫く笑い転げてしまった。
またしても和気あいあいと楽しかったのではあるけれど、マイペースでせっかちな35名の外国人を相手に、英語が流暢でないインストラクターさん達も苦労されて大変だったろうと察するわ。
だって本当に皆、まるで幼稚園の子供たちみたいに好奇心旺盛で、説明を聞く前にどんどん手が動いて作業を進めてしまうから。
当人である私たちは、そんな自分たちの様子が可笑しくて、失敗しつつも冗談を飛ばしながら笑いが絶えず、楽しくて貴重で「文化的」な体験のひと時になった。
この日のホテルは金沢駅前にそびえる『Hotel Nikko Kanazawa』。
夕食までの時間で義母と駅まで散策。
初めて訪れる金沢駅はとても独創的でインパクトのある近代的なデザインの建築で感動した。
本当に大規模でモダンで新しくて整然としていて感嘆。
近未来的でまさに都会っ!て感じ。
この街で過ごす時間(観光日程)が無いことを心から残念に思った。