夜、寝る時にヒヤッとしたコットンのベッドに入るのがイヤで、昨日、さっさと秋冬用の寝具(同じコットンではあるけれどフランネル)に替えた。
そしたら余りの寝心地の良さに久々うっかりの朝寝坊。。。やれやれ。
今週の火曜日は Textile Centerに集まって、通常は "Textile Artists on Tuesday"の仲間がテーブルを囲んで各々の作業をする日だったんだけど、今回はグループ仲間で国際的に著名な芸術家でもある Karenさんを講師に "JOOMCHI"と言う紙芸術の手法の受講をした。
試して見ると、まるで "Wet Felting"みたいなんだけど、単にそれがウールでなくて「紙」というだけで、でも繊維質を絡めるって点では一緒。
"Jiyoung Chung's Painterly: JOOMCHI"の名称で、韓国出身のアーティストの手法が有名らしく、彼女の出版した本が北米でも英語版で普及しているらしい。
彩色された和紙みたいな素材を濡らして、デザインして、折り畳んで、丸めて、揉んだり叩いたりを繰り返して柔らかくした後に乾かして仕上げる。
ちょっとしたパンを作る作業と言うか、お料理教室みたなノリで、皆でエプロンを掛けてそれぞれのテーブルで水を使ったり、棒で叩いたり、楽しく同じ作業をする光景はまるで「幼稚園?」ってな雰囲気が楽しかった。
私が持参したエプロンは、モントリオール時代、イタリアを旅行した友達:アンがお土産に買って来てくれた「ミロのヴィーナス」がデザインされたもので、だからエプロンを掛けると一瞬「は、裸?」ってな錯覚されるのが面白く、私のエプロン姿を見た仲間たちの反応がいちいち面白く、これだけで十分、この日の午前中の価値があったと思えたくらい。
そして、普段は色々とそれぞれに別の手作業をする仲間たちではあるけれど、こうして同じ手法で同じ作業を通して出来上がりを見ると、誰がどんなデザインをするのか、個性や嗜好が反映されてて興味深かった。
*魂の色を反映した私の暗い作品(!)
(作為、または意匠としては、
左手に海、右下に大陸、右上に森、の表現を試みたんだけど)*
私の作品は、特に乾く前の濡れた状態では色が見え難く、かなり濃い感じで。
全体的に黒っぽく、暗ぁ〜い感じの印象の作品に見えた。
だから自分の頭の中で自虐的に「すんごく暗いの、私の魂の色みたいに」なんて呟いて一人でウケてたんだけど。わはは。
そしてこの一回きりのクラスを受講するのは多少の費用が掛かることもあるし、勿論、強制ではない(自由の国アメリカだし!)から、飽くまでも自主参加ではあったんだけど、ほとんど全てのメンバーが参加してた中、ただ一人、受講しなかったスコティさんは部屋の隅に静かに腰掛けて独りでラグ・フッキングをしていた。
その光景が私にとってはもの凄く斬新に思えて勉強になった。
集団行動とか仲間意識とかが重視された時代の日本で生まれ育った私にとって、北米社会で自己の確立をすると言うことがまだまだ発展途上の身で。
未だに社会の中、集団の中の価値観に揺らがない自分ってのを求めて、自分の中に確固とした哲学を見出したいともがいてる訳なんだけど。
仮に、10人中9人の仲間が「山」へ行こうと言えば、本当は「海」に行きたかった私は皆と一緒に「山」へ行ってしまうし、お昼時になって、もし9人の仲間が「ハンバーガー・レストラン」へ行こうと言えば、もし「ピザ」が食べたかったとしても、皆と一緒に「ハンバーガー」を食べに行ってしまうであろう自分が容易に想像できて、私って一体!?みたな葛藤。
良く言えば「順応性がある」んだけど、でも時々「自分が無いの?」とも思う。
こんな思春期みたいな試行錯誤を繰り返す私の日常。
50過ぎのいいオバさんがこんな下らない事で頭を悩ませてるであろうだなんて、子供の頃、夢にも思わなかった。。。
家に帰る途中、せっかくこの方角に来たのだから、、、と、このエリアにある『TARGET』に寄り道。
一番の目的は「幻の髭男爵バード」にひょっとして巡り会えるかも?って事。
正直、余り期待もしてなかったんだけど。
既に別の2店舗ですっかり売り切れてしまってたから。
そしてら何と、予想に反してありました!
*じゃ〜ん、髭男爵バードを発見♪*
な、何で!?
自分の中で腑に落ちない感じだったので考えて見た。
落ち着いて周囲を見回すと周囲の客層に答えがあった。
何だかこの地域には学生とソマリア系移民とイスラム教の人々が多いらしい。
勿論、個人差があるのは前提の上で、でも彼等の大多数にとって、こんな(!)5ドルで売られてる訳の解らない(!)口髭を生やした鳥がお洒落なベレー帽を被った何の役にも立たない(!)飾りなんて、何の意味も持たないのかも知れない。
実際、5ドルあれば文具や昼食や家で必要な消耗品が買える。
日本やカナダで、余り実感した覚えがないのではあるけれど、アメリカには、こうして目には見えない色々な境界線のようなものが存在するのを感じる。
カナダと同様に英語を主な公用語として移民から成る多民族、多宗教な国でありながら、人種や宗教、経済力を背景にした、教育や就業の機会格差が大きい現実を目の当たりにするのがアメリカ。
正直、人種差別なんて過去の出来事、なんて思っていた。
大統領選挙を通じて見えて来るアメリカは何とも巨大な国家であり、州や地域によって性質が大きく異なること、未だ人種差別が根強く存在すること、等々の現実を見せつけられて正直、唖然とする。
丸腰の黒人がヒスパニック系の警官に射殺された事件で、私たちが暮らす小さな町の名が一躍世界中に知れ渡ったのも最近の話。
個人として、色々と想うところはあるけれど、話題の内容が大き過ぎて、しかも、アメリカで選挙権を持たない「居候」みたいな状況の自分の立場では、何かしら偉そうな意見を申し上げる権利も無いような気がして。
私のブログ本来の主旨に逸れることもあり。
引き続き政治と宗教の話については触れない方向で一貫したいと思います。
2 件のコメント:
髭男爵との暮らしおめでとうございます。
やはりお髭の貫禄が加わると画が引き締まる感じがします、(*´▽`*)
これでブリティッシュピッコちゃんも寂しくないですね。
寒くなってきたようですが暖かくしてお過ごし下さいね。
Mutsukoさん♪
あ、ありがとうございますっ!(笑
すっかり買い逃したと思っていたので、予想外の出逢いには驚きと嬉しいものがありました。
って、安価な鳥の置物に対する思い入れが大き過ぎて自分でも笑っちゃいますが。あはは。
この鳥ちゃん達のようなファッションの季節がやって来ました。
ブリティッシュ・スタイル、お洒落っぽいですよね、私は持ってませんが。
暖かくして焼き芋でも頬張りたい時期ですね〜♪ほっこりと。
楽しくて美味しい秋でありますように!
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