2016年8月13日土曜日

Diorama: French Bakery

Minnesota State Fairの Creative Activities部門のコンテストを兼ねた作品展にエントリーの手続きをしたので、今日から3日間が持ち込み期間なのではあるけれど。

週末で土曜日の今日の時点で、まだ最後の作品を仕上げ作業中だし。。。

飽くまでも楽しむべきイベントなので切羽詰まった感じは殆ど無いんだけど。

明日の搬入にするか明後日にするか未だ決めずにダラダラと作業を続けてる。

*最後まで粘って小道具を作り足してる『French Café』は
(当初のタイトルは『French Bakery』だったけど)
主にフェルト素材を使ったミニチュアの "Diorama"(ジオラマ)
お茶の時間を愉しむ動物たちはパイプクリーナーを用いて制作*







この歳になってもフェルト素材は大好きで、フェルトを使って小さな作品を作るのも大好きで、でも視力が老眼で衰えてるから細かい作業をする辛さは多少あるのだけれど、フェルトで小さな食べ物やお皿に盛られた料理なんかを作るのは小学生の頃から好きだったから、そういう意味では、自分の中の本質みたいなものはどんなに時間が経って大人になっても変わらずにあるのかな、なんて漠然と思いながら。

小学生の頃にせっせと作った作品は、大好きだった祖母にあげると喜んで褒めてくれ、彼女のガラスケースに入れて飾って時折、眺めてくれたのかな、なんて遠い日の懐かしい風景を思い出しながら。

*プレゼンテーションに迷っていたら図らずも以前に買っておいた
白くペイントされた木の箱(トレイ?)がピッタリ使えた♪*



ちょっとセンチメンタルな気分に拍車を掛けるように、昨日はヴォランティア先のシニア施設内のギフトショップを開店中に、その朝、施設内で亡くなったばかりの女性を送り出す場面に立ち会った。

施設内で勤務するフタッフの皆さんと一緒に並んで最後のお見送りをしたんだけど、果たして自分が接したことのある顔見知りかどうかも分からないまま、人の死と言う現実を目の当たりにしてやっぱりほろっと来てしまった。

他界した女性が幾つだったか後から耳にしたら84歳だったそうで、あぁ、じゃあ人生に悔いの残らない高齢だったのかな、なんて勝手な自己完結の慰め的に納得しつつ、あれ、ちょっと待って、それってうちの両親と同じくらいじゃん〜ってのに気付いて少しだけ愕然としたり。



その後は、施設内で私が初めて見掛ける女性が車椅子で押されてギフトショップにやって来て、新しい入居者ということで自己紹介を受けたんだけど、私と余り変わらなそうな年齢層の彼女に、「何故シニア施設のココに?」って腑に落ちない部分は残りつつ、脊髄の損傷で体の自由が利かないらしい。

会話する機能にも多少の障害があるらしかったけれど、それでもコミュニケーションするのは可能で、お喋りを通して知れば知る程、彼女の背景が興味深かった。

大学で博士号を取得する為の勉強をしながら、8カ国語を操ることが出来る能力を活かして色んな国(欧州やアフリカ)を旅して、中国に暮らした期間もあったそう。

会話の途中、彼女が私に「あなたのことを "Darling"と呼んでもいい?」とか、ちょっと乱暴な言葉を使っても気にしないかどうか確認したり、そして「"hug"してもいい?」と訊くので「勿論よ!」と言って抱き合ったり。


施設に入居していてヴォランティアとして雑用なんかもこなしてる年配のダンさんは、私の顔を見るといつもギフトショップにやって来て他愛の無いお喋りをして行くんだけど、彼は多分、脳溢血か脳梗塞かの後遺症で言語障害がある。

だから彼のお喋りに付き合うのにはちょっとした気の長さと辛抱強さを要するんだけど、不思議と気にならず彼の会話に付き合うことが出来る。


ヴォランティアを日本語表記すると奉仕で、ヴォランティア・ワークは勤労奉仕かと思うんだけど、今の私にとってのヴォランティアは、お金を払ってでもさせて欲しいと願うような人生体験を経験させて貰うことの出来る貴重な機会だと感じてる。

私の挑戦は、「同情することなく心を通わせる」こと。

英語だと "pity"でなく "compassion" なんだけど、日本語に訳すとどちらの意味にも「同情」が入ってしまうからちょっと違うんだけど。

相手と同等の立場で対応するって難しいと感じてる。

特に相手に何かしらの障害がある場合。

同情ではなく、謙虚な親切さってのが私の目指すところ、かな。

でも難しい。

日本人の私には元々「本音」と「建前」と言う二重の定義があって、自分の親切さが果たして「善い人を演じる」自分なのかどうか見極めが難しい場面もあるから。



そんな事を悶々を考えつつ、



それでも昨日の午後には State Fairの会場へ行き、警備の厳しいゲートを通って Fine Artsのレンガ造りのビルへ作品の "installation"の作業をして来た。

予備の木の枝や鋸、金槌やペンチに針金なんかを持参して正解だった。

私の『鹿の頭』を展示するスペースとして案内されたのが、入り口を入って正面の奥手の広いスペースの、予想外に良いスポットを確保して頂いて感激してしまった。

会場には既に壁一杯に絵画や写真作品が設置されていて、彫刻作品なども展示済みだったりするのに、私の『鹿の頭』は私が提出した状態に箱入りのまま誰にもいじられてない感だったのが意外で、それだけ作品の特殊性(妙な形で扱い難く壊れ易い)と言うか、関係者の方たちからのリスペクトを再認識させられた。

私にとっての初体験、、、作品の搬入と設置、と言う行為。

ちょっとだけプロフェッショナルな芸術家みたいな疑似体験が面白かった。

これは病み付きになりそうで、絶対に来年も参戦したいと思う。

帰り際、スタッフの男性に改めて「競合と難関をパスしての出展、おめでとう♪」と握手して貰ったのが嬉しかった。






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