主流の大ヒット作と言う訳でもないらしく、家から近い映画館ではちょうどいい時間帯での上映が無かったので、少し離れた場所にある映画館で、しかも劇場とレストランが合体したような施設で、注文した料理を楽しみながら同時に映画が観られる、私にとっては目新しい体験になりそうで楽しみにしてたんだけど。
映画までの時間に数時間あったので、愛用のリカンバントに乗りサイクリングに出掛けた Davidだったのは良いとして。
出掛ける予定の時間になっても帰って来ず。
何しろ、距離にして60kmとか80kmとかのトレールを自転車で廻って来るので、帰宅した後は汗だくだから、外出となるとまずはシャワーをしないとイケナイし。
結局、1時間近く遅れて帰って来たので、外出の予定を変更したんだけど。
取り敢えず、転んで怪我してた、、、とかじゃなくてホッとしたのは勿論。
数ヶ月前、サイクリングに出掛けた Davidから電話があって、「転んで怪我したから車で迎えに来て」って事例もあり、彼が自転車で出掛ける度、無事に帰宅するまでは何気に不安だったりする。
その際、自転車の修理を要したのと、彼の膝小僧が擦り剥けたのと。
転倒の理由は道路にあったんだけど、Davidの事故後、数週間以内に修繕されてた。
さすがにアメリカだから、道路を管理するオフィスを相手に訴訟を起こせば、ひょっとして勝訴して賠償金が貰えたりしたかも?なんて。
だって「怪我をしたら◯◯弁護士へ電話を!」なんて看板をあちこち見掛けるし。
とにかく、無事に帰宅した彼の話によると、公園で休憩をして水を飲んだりスナックを食べたりしていたら、見知らぬ迷子の老婦人が助けを求めて来たのだそう。
散歩に出掛けたら道に迷ってしまって、家に帰れなくなってしまったらしく。
多分、ちょっとした認知症かアルツハイマーの初期症状だったのかも知れない。
そんな老女でも自動車の運転免許証を所持してたらしく、住所をスマートフォンで確認して、帰宅の補助をしたんだそうで。
そんな理由ならば、遅刻を責める訳にも行かず。
結局、夕方になって Davidと Kaitoの二人だけで家の近くの劇場へ行くことに。
私はあとで DVDで観ればいいや、ってので。
夕食は中華の持ち帰りで、アメリカで典型的な「店屋物」代表。
ワンタン・スープとか春巻きとか、ガーリック風味が利いた炒飯に骨無しスペアリブやジェネラル・タオ・チキンなどなど。
おまけに付いて来たのは、お約束のフォーチュン・クッキーたちで。
それにしても、今でこそ MSGフリーなのは善しとして、明らかに合成の着色料と思うド派手な色が付いてるソースの数々なのが中華料理の不思議なところ。
真っ赤なBBQソースとか真オレンジのプラムソースとか。
ちょっとだけ食欲が減退する感じなのは否めない。
金曜日のギフトショップのヴォランティアでは売り上げが多少あって安堵した。
(何しろ、前の回にはたったの5ドルの売り上げだったから!)
店内の様子をざっと見渡して、客が居ないのを確認すると、私のところにやって来て「ちょっと写真の撮影を手伝って貰えないかしら」と見知らぬ女性に言われた。
ギフトショップ前のホールに出て見ると、車椅子に座った老紳士を中心に、ざっと3家族くらいの人々が赤ちゃんを抱いた女性も含め、子供を連れて集まっていて、多分、お爺さんのお誕生日会か何かの機会に集まられたみたいな様子で。
写真にこだわりのあるらしい女性が高価なカメラを抱えて、家族の立ち位置などを指定した後、カメラの撮影モードなどを設定してから私にカメラを手渡し。
たまたまヒマそうなギフトショップから引っ張って来たアジア人のこじんまりした中年の私が、何やら予想に反して写真の撮影に熟れてる様子だったのを感じ取って、その意外性に驚いたらしく、そのご家族の中の数名の男女たちから何度も繰り返してお礼を言われたのが興味深く印象に残った。
単に、シャッターを押すタイミングでの掛け声とか、複数での撮影とか、アングルを変えての撮影とか、あとは安定したカメラの構えとか、そういう事かと思うけれど。
あ、これでも昔、写真を少しだけ学んだ経験があり。
そういう背景は外見で計り知るのは不可能なので。
外見とか容姿とか、外からの情報に基づいた先入観によってカテゴライズされた人が、実はまるで相反する要素や素質や性格を持っている、と言う事は多々あり。
目で見えるものや情報だけに頼らないよう努める訓練は常に必要だと強く思う。
特に北米で暮らす移民は何かにつけて過小評価される傾向にあるかと思うので、意外性を発揮して、過小評価する人を驚かせたり、再認識させたり、先入観を覆させたりする機会になったかも?と思える場面にちょっとした快感を覚える。
ま、自己満足の範囲ではあるんだけど、いつもの事ながら。
先週、うちで観た DVDの映画『Woman in Gold』がとても良かった。
*IMDbからの画像*
Helen Mirrenと Ryan Reynoldsが主演の実話を元にした作品で、私も大好きな絵画、Klimtの "Portrait of Adele Bloch-Bauer"(アデール・ブロックバウワーの肖像画)、通称:Woman in Goldの所有権を巡る裁判の話なんだけど。
第二次世界大戦のナチスの時代に端を発するストーリーでありながら、暴力的な描写が控えられてるのが私的には良かったし、観易かった。
(最近、歳のせいもあってか過度な暴力シーンに弱くなってる自分を感じる)
*有名なクリムトの作品『Woman in Gold』*
やっぱり私はこの時代のクリムトの作品に魅力を感じるなぁ〜と。
そして考えるのは勿論、この作品を何かしらテキスタイルや繊維で表現するのに挑戦してみたい、って事なのはいつもながらで。
ラグ・フッキングかパッチワーク・キルト、或はビーズを使った作品でも。
たまたま少し前に Davidの提案で、週末の旅行にニューヨークに行くのはどう?ってのがあり(彼はブロードウェイで Penn and Tellerのショーを観るのが目的)。
私はこれまでニューヨークへ行った事が無く、人生の中で一度は行って見たい場所の一つでもあるから、勿論、実際に行けることになれば嬉しいんだけど。
でも、実は余りニューヨークについて知らない。
だからもし日本に住んでたら、咄嗟に「地球の歩き方」を買いに走る場面。
せっかくニューヨークに行っても、かつてペーター佐藤(イラストレーター)に縁のある場所を廻る程度で、ずっと行って見たいと思ってた「ニューヨークの高島屋」は今は既に無いし、、、あとはデリでベーグルを食べるとか、、、そんなとこかな。
勿論、有名どころの観光スポットとか美術館巡りってのは候補だけど。
が、しかーし!
今は新たな目的が出来た。
それはクリムトの『Woman in Gold』に直接、会いに行くこと。
何しろ現在はニューヨーク五番街の Neue Galerieの所蔵だそうだから。
(映画にも登場した通り Ronald Lauderが Maria Altmannから常設展示で一般に公開する事を条件に高額で買い取った)
それにしても、私が自分のこと本当に無知だなぁと思うのが、Estée Lauderがフランスの化粧品会社だと思ってたこと。
彼女の名前のEにアクセント記号があるから。←単純
高級化粧品に興味がナイ、、、ってのも理由の一つではあるんだけど。
あ、映画の話に戻って。
Ronald Lauderの役を演じた英国俳優が、本人を彷彿とする容姿で、本当にピッタリな人を見つけたなぁ〜!と感心させられた。
目立たない役どころだったので、余計に作品のこだわりのようなものを感じた。
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