2011年6月13日月曜日

ゴルチェと返品天国の攻防

木曜日の新聞をパラパラとめくっていて目に留った広告。

モントリオール市街にある高級デパート『Holt Renfrew』に、プロモーションでフランスから、かの有名なファッション・デザイナー Jean Paul Gaultierがやって来るので、会いに来ませんか?サインも貰えますよ、って。

*一時期太った印象だったけど、またスリムになったみたい*

ミーハーな私は、ジャンポール・ゴルチェが一世を風靡した時代にちょうどファッションに目覚めた世代なので、冷やかし半分で会いに行って見たい欲求に駆られたんだけど。

「Shop the Jean Paul Gaultier boutique including special limited-time items and move to the vip line for the chance to meet this fashion icon.」

なんだ、やっぱり何か買わないとダメなんだ。(←当然だけど!)

よく小説家が新刊のプロモーションで大型書店を訪れて、本を購入して並んだファンには一人一人順番に握手したり短い会話の後、本の表紙に記念のサインをする、あの類いと一緒のコンセプト。

彼のデザイナーとしての華のある存在感のインパクトとか、毒のある衝撃的な作品群は結構、好きだったりするんだけど、でもそれでも、自慢じゃないけど彼の商品ってこれまで一度も買ったことが無いかも?

だってプロモーションでモントリオールに来るくらいの力の入れ方だし、しかも期間限定で発売の商品だなんて、そもそも私が手を出せるような値段の商品じゃないんだろうと想像するし。

でも、、、と一瞬、頭を過ったのは。。。

でも多分、彼の熱狂的なファンだったとしたら、例え彼の商品に手が届かないとしても、この「返品天国」の北米だったらきっと、クレジットカードで一時的に商品を購入して列に並び、ゴルチェに会って「きゃ〜!」と興奮しながら握手とサインを貰い、その足でさっさと買ったばかりの商品を何喰わぬ顔で返品するって技の強者だっていたりするんだろうな。

何しろココは「返品天国」。

必要な時に必要なモノを買って、必要なだけ使った後に返品、、、そんな大胆不敵な技が一般に浸透しているらしい。(多分、アメリカ程では無いとは思うケド。って、根拠はナイけど)

6月は卒業式のプロム(ダンスパーティ)とか、結婚式への招待とかが多い時期でもあるし、そういう一時的に必要なドレスとかパンプスとかパース(又はバッグ)とかって、ひょっとしたら返品確率の高い代表的なアイテムだったりするんじゃないかな?とか思う。

何しろ、消費者の"Satisfaction Guaranteed"(満足保証)とか言って、商品の返品可能期間が2週間とか30日間とかの緩い範囲で設定してあったりするから。

なので、梱包を開けるのは勿論、実際に商品をバンバン使って見て、それで気に入らない場合には躊躇うことなく堂々と返品〜!そんな感じで。

でも、そんな私の心配はご無用。

ゴルチェの新聞広告の下にはちゃんと小さい文字で異例の「返品お断り」メッセージがあったわ。

「No returns will be accepted on Jean Paul Gaultier special limited-time merchandise.」って。さすがだわ。

やっぱり売り手も自衛しないとね。

2 件のコメント:

まゆみ さんのコメント...

Mayumiさんの心の動きを推測しながら、
「結局、どうするのかな?」と読み進めてると、最後の「返品お断り」の記載でオチが。

楽しく読ませてもらいました。

でも、こんな広告が出ると、女心は揺れます
よねぇ~♪

Mayumi さんのコメント...

まゆみさん♪

ありがとうございます。

どうやら折しも、モントリオール市街の近代美術館で、ゴルチェのファッション文化の歴史的な展覧会が催されるようで、そのオープニングの式典にもゴルチェ氏、参加されてるようでした。

そちらは商品を買わなくても閲覧出来るので(笑)、美術館の方に足を運ぼうと思います!