彼の実家はここから高速道路に乗って車で30分程度の場所だし、カナダに引越して以来、2回も同居(居候とも言う)したことがあるし、彼の両親とはすこぶる仲のいい私だけど、でもでも、Davidが実家へ行く度に必ずしも同行するという訳では無く。
週末を、自分のテリトリー(つまり家)で心地良く静かに過ごしたい欲求が強い際には、(私を)家に置いて行って貰って、週末の午後から夜に掛けての贅沢で貴重な時間を密やかにのんびりと「お留守番」よろしく、"Home Alone"状態で過ごさせて貰う。
当然、子供たちにも「グランパ&グランマの家に行きたい?」と訊いて、それぞれ本人の意思を尊重。行きたい人だけDavidの「お連れ」で行くって感じで。
ある時はKaitoとErikaと私の3人が家に残ったり、Erikaと私の二人だけ残ったり、そして私だけが独りで残ったり、色々。
「私が行かないと、両親が気を悪くするかな?」とか、Davidに訊いてみるけど、まるで全然そういうことも無さそうだし、息子が息子なら両親も両親って感じに、飽くまでも自然体で、誰に対しても過度のプレッシャーや期待感なく、何事にも本人の選択を尊重してくれるのは本当に有り難いと思う。
折しも来週の日曜日は父の日で、既にDavidの両親を夕食に招待してあるし、2週連続で会わなくても充分かな、ってのが正直なところで。
まぁそんな訳で、DavidはErikaと、靴箱にいっぱいLegoを詰めたKaitoを連れて(あ、あとTrixieも!)、実家でのBBQディナーへと出掛けた。
私はこの時とばかり食卓いっぱいに、溜まっていた未だ読んでない新聞を広げて、珈琲を入れて、ラジオのスイッチを入れてフランス語放送局の音楽を押さえたボリュームで掛けて、さて、独りきりの夕飯には何を食べようかな?なんて冷蔵庫の中の残り物を思い出そうとしてたり。
7時半をまわっても外は充分に明るいこの時期。
キッチンの裏手の方で何やら騒ぐ動物の声がした。
何とも尋常でないその鳴き声の主が一体どんな鳥なのか?動物なのか?それとも異なる種類の動物が争ってるのか?まるで想像もつかず、恐る恐る裏庭に通じるキッチンの引き戸を開けながら、「家に独りぼっちなのに、何だか面倒なことになったら嫌だなぁ」なんて思いつつ、一歩、デッキに足を踏み出して息を飲んだ。
「What…the…heck…!??」そんな感じで。
多少、薄暗くなり始めたとは言え、まだ充分に明るいのに。
そこには夜行性のはずの「御一行様」が列をなして
*一番右がお母さん(又はお父さん?)@ボケて見え難いケド*
隣の家との境のフェンスの上を"Raccoons"(アライグマ)の親子が何やら危なげに、もたもた&ヨタヨタと歩いてる最中に出くわした。
私が開けた引き戸の音に反応して一瞬「固まった」アライグマのお母さんと、いきなり目が合った私も思わず「固まって」暫くの間、距離を置いて見つめ合う私たち。。。
と同時に、5匹の赤ちゃんアライグマ達の10個のおめめからの熱い視線も浴びる私。うわー、うわー、うわぁーーーっっっ!(←心の中の叫び)
我に返って気を取り直した後、室内のコンパクトカメラを取ってデッキに出たけど、まだ同じ場所にいた彼等。
どうやら、フェンスの上での歩行が、赤ちゃんアライグマ達の思うように行かないらしい。
先頭を難無く歩くお母さんの後ろについて、モソモソと身動きしてバランスを取りながら、でも危なげに何度も何度も落ちそうになりながら、しかも文句を言いながら(!)ゆっくり、ゆっくり、歩く子供たち。
赤ちゃんアライグマ達の鳴く声が、まるで「ちょっと待ってよ〜」「先に行かないでよぉ〜」「そんなに早く歩けないよぉ〜」「落っこちるよぉ〜」みたいに聞こえて、もう可笑しくて可笑しくて。
笑いをこらえながら、彼等がフェンスを渡り終わって裏の家の敷地内へと下りて行くまで見続けた、およそ10分間程度での場面は、まるでドキュメンタリーのドラマって感じで楽しかった。
あぁ、なんか楽しくて貴重なものを見せて貰ったな〜。そんな余韻。
*おまけ:フラッシュを使って暗そうに写った写真*
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