2014年7月10日木曜日

小さな町のキルト店


義理の両親がカナダから遊びにやって来る前に、義母が買ったパッチワーク・キルトの雑誌でアメリカ国内のキルトショップを紹介していて、そのうちの一店舗がたまたまミネソタ州にある店だったものだから、私たちを訪ねて来たついでに足を伸ばすのを密かな楽しみにしていた義母。

頁を覗いて見ると、確かに興味をそそられる素敵そうなキルト店で。


聞いた事もない馴染みのない "Zumbrota"(ズンブロータ?)と言う名の小さな町の、歴史ある古い赤レンガ造りの建物を利用して運営されている 『All in Stitches』と言う名前の店まで、うちから距離にして100kmくらい。

義理の両親と Davidと私の4人で観光がてら出掛けて見ることに。


お天気も良く、高速道路をひたすら真っ直ぐに南下。


青い空に白い雲が浮かび、どこまでも広がっているような田園風景の中を1時間弱走り続け、ようやく Zumbrotaに到着。

本当に小さな小さな町で、まるで昔の映画に出て来そうな印象。

*敢えて白黒にしてみたら、まんま時代がスリップした感じの錯覚*


メイン通りを走るとすぐに見つかった「雑誌で見たとおり」の店構え。


店内の様子や雰囲気も雑誌で見た通りだった!


内装も赤レンガの雰囲気をそのまま活かして沢山のキルト作品が飾ってあったり、予めカットされた生地がサンプラー的にセットで売られていたり、デザインのアイデアがそのままキットになって売られてたり、キルターにとってはちょっと興奮するくらいに刺激的な提案と品揃えとお洒落なディスプレイが効果的な店で、店内をくまなく見て歩くには軽く数時間を費やせそうな感じ。


なので義理の父と Davidの男性陣ふたりには、暫くの間「何処か」へ行って貰ってちょっとした観光でもしてくれるように頼んで。


義母と私の二人だけで落ち着いて店内を楽しめるように。


それでも小さな町なので、散策して見られる観光スポットもかなり限定され、観光案内に紹介されてる場所を幾つか廻っても更に時間を持て余し、何度もキルト店に戻って来る義父と Davidに仕方なく諦め、早めに買物を切り上げる事を余儀なくされた義母と私。

何となく無念な気持ちを引き摺りながらも、4人揃って軽い昼食をとるため数軒先の小さなカフェレストラン 『Coffee Mill』へ。


これまた典型的なアメリカの小さな町の小さな古いレストランって感じで、地元の人々に愛されてるらしい店内は、しかし、そこだけ時間が止まってるかのように古いままの内装、古いままのテーブルと椅子、かなりノスタルジックな感じ。

私たちにとって面白い体験の「半日旅行」だった。


因みに、私が『All in Stitches』で買ったのは。

素材感と色合いが良い感じのウールのフェルト各種。



刺繍柄がカラフルで可愛いリボンは1ヤードが3ドル前後。



コットンプリントのファットクォーター(カットのサイズ)を目に付いて気に入ったランダムな柄で2枚(2種類)だけ購入。

*最近の私の日常で「花」とか「オレンジ色」が不足してるのかも?*


キルト店では生憎オーナーさんが留守だったものの、店を任されてるらしい店員さんとお喋りが弾み、「カナダからやって来た」義母はお会計の際に小さなノベルティの「お土産」をプレゼントされてた。

そして、私の出身が日本と言ったら、「あら〜今、台風の被害が心配ねぇ」なんて言うから驚いたら、お友達が沖縄で駐留してるのだそうで。

いずれにしろ、もし義母が雑誌を買わなければ、多分きっと訪れる理由も無かったし、たとえミネソタ州で何年暮らしても、一度も足を運ぶことなく、地名や存在さえも知らずに終わったかもしれない事を考えると、その偶然にちょっとだけ縁のようなものを感じて妙な気分。

とにかく、私たちにとって良い想い出の一日になった事にかわりはないけれど。



そんなこんなで外出の多かった2週間は何となく気忙しくて、身内だから気を遣う程ではないにしろ、それでも結局は女中みたいに義父母の世話を焼く羽目になり、自分の趣味に没頭する時間がまるで持てなかったから、それなりのストレスも溜まり。

丁度良いタイミングで明日の朝、カナダに向け出発する予定の義理の両親は、その歳(共に70代)で再び2000km前後の道のりを、車の後部座席に犬を乗せドライヴして帰って行くのかと思うと、それもなんか凄いなぁ〜と思うロードトリップ慣れしてないニホンジンの私。








6 件のコメント:

まゆみ さんのコメント...

同じ趣味を持つお嫁さんとお姑さんっていいですね~♪素敵なキルトのお店!まゆみさんの購入されたリボンに目がハートに♪
オレンジやピンクって、やはり元気が出る色ですよね~。最近、こういう色に目がいく私です。

ものすご~い長距離をご主人のご両親は帰って行かれるのですね?やはり、精神的に若々しいっていうのと、体力もおありですね。素晴らしいな~♪

まゆみさんも、ちょっとお疲れかと思いますので、自由にチクチクしたり、まったりした時間をお過ごしくださいね!

yana さんのコメント...

ミネソタの風景には、本当に山がありませんね。
ズンブロータという町は知りませんでしたがキルト人口が多いんでしょうね。
キルト好きの人にはたまらないお店のようですね。お母様もどんなにか喜ばれたことでしょう!
それにしてもご両親様たちおげんきですね。
フィラの郊外にちょっと代官山のような街があり(家から10分くらいだったので)よく出かけてたのですが、そこにもキルト専門のお店があり、しかもオーナーが立派な本を出している方で、お教室もやっていたので1年くらい通いました。
キルトが好きすぎて、主人と別れちゃったのよ・・・とおっしゃる素敵なおばあちゃまでしたが私たちが帰国して2年後に亡くなられ、10年後に訪れた時にはスタッフの方もいなくなっていて、ちょっとがっかりしました。

先日主人と横浜に行った後、ちょっと必要なものがあり、スワニーに寄りたかったので、
(ちょうどお昼時だったし)向かいのハンバーグの美味しいお店で主人に待っていてもらおうと思ったら、あいにく定休日で、山下公園で待っててといっても嫌だと言って結局一緒に付いてきて、すごく嫌でした。(笑い)必要なものだけ買って、中華街でランチしてきましたけど・・・・・
あんなところには、男性は連れて行くものではありませんね。

para さんのコメント...

素敵なお店ですね。アメリカの小さな田舎町って、昔のままだったり都会とは、違った楽しいお店がありますよね。
共通の趣味があるのは、良いですね。でもお世話お疲れ様でした。
布の柄、左のパターン、なんとなく着物の柄に見えてしまいました。
リボンも可愛い!私は、針仕事が苦手なのでキルトは、できないですが、素敵な趣味ですよね!作品、また披露して下さいね♪

Mayumi さんのコメント...

まゆみさん♪

嫁と姑の関係って、ともすれば難しくなりがちだったりするので、何かしら共通な事があるのは助かる気がします。
まぁ私の場合は、それほど熱心なキルターと言う訳ではないですが。
ポップな色柄のリボン、可愛いですよね!?
使い道は未定ですが、つい買ってしまいます。
所謂「ビタミンカラー」って言われる理由が解りますよね〜。

義理の両親は金曜日の朝にここを出て、今日(日曜日)彼等の家に着く予定です。
ほんと、健康でないと出来ない事かと思うので、幾つになっても元気なのは有り難いことですね。
まぁ色んな面での衰えは見えますが。(笑

ありがとうございます。
暫くの間、針仕事に勤しみたいと思います。
とか言いつつ、昨日は久々の大掃除してましたが。(笑

Mayumi さんのコメント...

yanaさん♪

本当にそうなんですよね〜。
私も走る車の中から写真を撮りながら、どこまでも続く「山のない風景」を感じました。
ズンブロータ、人口が少なそうな小さな町で、特別な用事でも無い限りツインシティーズから足を伸ばす必要が無い場所な気がします。
なので、yanaさんがご存知なくても納得、と言うか。(笑

キルト好きの人なら、数時間は過ごせそうなお店でした。
アメリカのキルトショップって、やっぱり凄いなぁ〜って感じです。
人口密度とか経済とか影響するんでしょうけれど、カナダはキルト人口は高いのに、やはり人口密度が低く、ローカルなキルト店が次々と姿を消している状況で、義母の話によると、少ない選択肢の中から地元で手に入れるコットンプリントの生地は、アメリカで購入する価格の2倍近いらしいんです。
なのでカナダからわざわざ国境を越えてアメリカへ買出しに出掛けるキルターが多いのも頷けます。

馴染みのお店が時間の経過と共に変わってしまうのはちょっと寂しいものですよね〜。

わはは!
ほんと、キルトショップにしろ雑貨店にしろ、男性が一緒だと大変ですよね。(笑
時間を気にせず思う存分、買物を楽しむにはやっぱり「男性抜き」が理想かも知れませんね!

Mayumi さんのコメント...

paraさん♪

アメリカにはまだまだ新参者の私ですが、やはり大きな国で人口も多い国でもあり、まだまだ奥が深い感じの印象ですね。
土地柄によって色んな顔を持っている興味深い国です。

共通の趣味もあり仲も悪く無い義父母ではありますが、それでもやっぱり同居となると大変ですよねー。(笑
とにかく無事に過ごせてほっとしました。

着物柄!
自分では意識してませんでした。
でも言われて見ると実際そんな風にも見えますね。
やっぱり無意識のうちに日本人ならではの嗜好とか趣味が現れるのかな〜なんて、面白く思いました。