2017年5月8日月曜日

MIA: Bleak House

先週の金曜日は夏日を思わせるような陽射しでお天気も良く、Davidが仕事を早めに切り上げて午後の3時(おやつの時間♪)前に帰って来たので、二人で "MIA: Minneapolis Institute of Art"(ミネアポリス美術館)に出掛けた。




余談で、北米の企業では所謂「フレックス」時間で勤務することの環境があるので、仕事内容に滞りがない限り、出勤時間も帰宅時間も個人の判断に委ねられていて、だから当然、タイムカードとかもなく、日本のような慢性的な残業もなく、仕事が終わった後で(自分の意思に反して)上司と飲みに行ったり、得意先を接待したり、というなんて事は勿論ないし、しかも長期休暇(病欠とは別に)も2週間とか3週間とか、連続して取ることさえも可能なので、日本からのニュースとして聞こえて来る「過労死」は、まるで理解の範疇を超えた事象で、「どうしてそんな事が起こりえるのか?」多くの北米人にとっては謎なんだろうと思う。


MIAでは現在、今月28日までの限定で企画展が開催されていて、映画監督 Guillermo del Toro氏の仕事や収集品などが観られる展示。

その名もずばり『Guillermo del Toro At Home with Monsters』というタイトル。

*監督の別宅の玄関ホールは「こんな感じ」らしい、スゲぇ〜*


何だかまるで「del Toro監督のお宅(オタク?)へ、ちょっくら遊びに行って来ましたよ〜♪」みたいな濃い体験。

入り口の壁に「眼」が付いてて、それがパチクリ動いてる様相は、何だかちょっとした「お化け屋敷」に入る時のドキドキする気持ちと似てる感じ。


展示物の中には↓こんなのもドォーンとあるし。


多分、これが実際にデル・トロ監督の別宅玄関で
訪問者を見下ろし出迎えてくれるんじゃないかな?と想像。




彼の映画に登場するモンスターの他、

監督のオタクっぷりが解る個人的な収集品も沢山。





展示はモンスターや収集品の他、デル・トロ監督の作品の映像が流れていたり、絵画やデザイン画、衣装なんかも豊富にあって見るのが楽しかった。

私自身は最近特に暴力的な描写やグロテスクな映像に弱く、そういう意味での怖い映画から疎遠になっているので、デル・トロ監督の作品が特別好きだったり詳しかったりする訳では無いんだけど。


だから最近亡くなった、有名な日本人としてハリウッドで活躍されたコスチューム・デザイナーの石岡瑛子氏の作品が展示されてるのを見るのも、私にとってはちょっとした発見だったり。

いずれにしろ、デル・トロ監督の企画展を観て思ったのは、人間の想像力とか創造性の素晴らしさは勿論、そういった能力を発揮する場を得た人に対する賞賛の気持ち。

あとは成長する過程の子供時代に受ける刺激や置かれた環境から受ける影響、体験したイベントから受けるインパクトの大きさが、その後の人生にとってどれほど大きく重大であるかを改めて思い知らせれた。

私自身、親であるので、果たして自分の子供たちの今後の人生、つまり彼等の将来の可能性にとって、どんな影響や作用を及ぼしたんだろう?と考えると怖くなる。

あとは親子の関係や家庭環境に関わりなく、「子供の頃から雨と雷が好き」と言う理由で、デル・トロ監督の "Bleak House"には24時間じゅういつでも雨降りと雷と稲妻が(音響と映像の効果で)継続する部屋があって、集中力を要する仕事にはその空間で作業に没頭するというのにも感嘆。





美術館につきもののギフトショップを覗くのは楽しく、今回は企画展に因んだ関連商品も売られてたのだけど、どれも値段設定が高く、見るだけ。

とにかく、ちょっと怖くて楽しい企画展だった。


0 件のコメント: