2017年5月5日金曜日

企画展オープニング


昨日はミネアポリスのテキスタイル・センターにて、新しい企画展が始まるパーティがあり、Davidに少し早めに仕事から帰って来て貰い、二人揃って出席した。

そう言えば、昔から聞いたことのある話ではあるけれど、「北米のイベントでは夫婦が揃って参加する」ことが儀礼になっている、ってのは割りと嘘ではないかも、なんてのを改めて実感してみたり。

だって、このイベントに直接関係してるのは私であって、Davidはまるで関係ナイ訳だから、多分、私が一人で出席しても問題ないとは思うだけど、それでも実際に行って見ると、やっぱり他のメンバーもほぼ皆パートナーを伴って出掛けてるので、社交上でのカップルの相互サポートの強さを感じる。

私が関わってるグループの作品展が、二次的な小規模ギャラリーで開催中。

今回出展してるのはメンバーの中の10人程度でのグループ展。

私が出展してる作品は、例の "Klimt/クリムト"シリーズで、彼の絵画を3Dのファイバー・アートとして表現したもの。

人物をニードル・フェルティングで作り、シャドーボックスの背景をラグ・フッキングやかぎ針編みなどの手法で作りセッティングした3点と、あとはクリムト本人像を単独で計4点での展示。

ギャラリーに展示されてるのを今週の火曜日にひと足早く見せて貰い、最後の手直しをしたんだけど、どうにも気になるのがガラスのケースに入れられたクリムト像。

彼の絵画作品には有名なものも多いけれど、今回認識したのは、当然の事ながら「知らない人はまるで知らない」って事で、クリムトの一般に良く知られた絵画でさえ、見たことはあっても記憶に留めてない人ってのは多くて、それはちょっとした驚きでもあった。

私は特別にクリムトの作品だけを愛してる根強いファンと言う訳でもないけれど、彼の多くの絵画は勿論、ゴッホだとかモネだとかシャガールだとか、一般に良く知られて人気の作品は割りと明確に記憶の中に焼き付けられていて、それは多くの日本人も同様かと思うんだけど。

北米の人にとってはそうでも無いみたいで、それは教育の違いなのかどうか。

とにかく、そんな背景であるから、画家としてのクリムト本人を見せられても、「このオジさん誰?」みたいな状況なのは仕方なく。

自画像を描いていて、それが良く知られたゴッホなどと違い、クリムトは彼自身の自画像を描いてないのか、当時、白黒で撮影された彼の写真なども、目にするイメージが限定されてるのを考えると、やはり多くは残ってない印象で、だから世間に余り知られてないのも納得なのではあるけれど。

*「アデールの肖像」と並べれば、ひょっとして
この絵を描いた画家?ってなヒントにもなるかも知れないけれど*



*クリムト彼自身を単独でディスプレイすると
この猫を抱えた冴えないオジさんは誰?
ってな事らしい*



まぁ、そんな懸念がもやもやと頭の中にあったことに余り意識はしてなかったんだけど、木曜日の午後になって、ふと私の頭の上で電球がピン♪と点灯したように。

そうだ!クリムトの人形が「本人」であるというヒントになるように、画家のシンボルである「イーゼル」を小道具として一緒に展示して貰おう♪と思い付き。

クリムトの画像集の中から敢えて彼の未完成作品を選び、それを模写。

*"Lady with Fan"のイメージを 5"x7"のキャンバスに慌てて描いて
丁度いい色では無かったけれど黄色の絵の具で背景を塗った*




*クリムトの人形と同等の背丈くらいの小さなイーゼルに乗せて*



本当に文字通り5分間くらいでパパッと仕上げたミニキャンバスの作品なのではあるけれど、これを早速テキスタイル・センターに持参し、ディレクターのクレイグさんを見つけると、彼にガラスのケースを持ち上げて貰い、イーゼルと共にササっとディスプレイ台のクリムトの隣に忍ばせた。

まぁ、それで効果があるかどうか分からないけれど、少なくとも「セント・フランシス?」って説からは遠退くかも?

あとはそうそう、オープニングのパーティと言うことで、ちょっとした飲み物とクラッカーにチーズなどがテーブルに並ぶんだけど、私も何か持参したいと思い、せっかくなので "Tim Hortons"のティムビッツを持って行くことに。

時々行く店では余り多くのティムビッツが並んでない事も多く心配だったので、予め午前中に電話をして、「色んな種類を混ぜたティムビッツを100個」箱に入れて用意して貰えるよう注文しておいた。

大きな箱(ドーナツが12個入るサイズ)にぎっしりと入れられた100個のティムビッツは、「カナダのドーナツ」として地元のアメリカ人達には未だ目新しいこともあり、あとは小さなサイズで気軽に食べられるし、しかもアメリカのドーナツ(ダンキンとか)よりも柔らかくて美味しいし、やっぱりこの場でも人気の手土産となって成功だった。

新しく出店したティム・ホートンズの店がこの地に根付くよう願ってる私にとっても、店のプロモーションにもなったし、しかも値段も手頃(100個で$17程度)だし!

一石二鳥というか好い事尽くめ。

そして更なる余談で、この企画展に因み、予め Etsyで買って置いた特別なイヤリングを付けて行ったのだった。

*クリムトの作品がイヤリングに!*



購入する際には気付かなかったのだけど、このイヤリングを作って売ってる作者さんが偶然にもミネソタ在住でちょっとした親近感を覚え、その後、Etsyでの会話の後、お互いのインスタグラムをフォローし合う事になった。

縁があれば、いつか対面することも不可能ではない距離感で。

そういうのもちょっと面白いな、と思う今の時代ならではのインターネットでの出逢いや人間関係の可能性。

2 件のコメント:

ミリンダ さんのコメント...

「このおじさん誰」 に思わず笑ってしまいましたが 確かに良く目にする写真のクリムトは 床屋さん? って感じですものね 笑)
作品ドンドン発表して 皆さんにしってもらいましょう・・・クリムトというか 
それよりまゆみさんの作品はどれもユニークな感性があって素敵です 
金魚鉢を見つめるネコの目 リアリティありすぎ\(◎o◎)/! こちらまで真剣に 金魚鉢じゃなくて ねこちゃんの目を真剣に見つめてしまいます
アイデアもすごいけど ネコちゃんの表情 大好きです(*^▽^*)

Mayumi さんのコメント...

keiko ミランダさん♪

なるほど床屋さん! それもありですよね〜、いつもスモック姿ですし。
ありがとうございます。
猫は飼ったことがないので良く解らないのですが、印刷した画像を頼りに作業してみました。
人間にしろ動物にしろ、眼は絵の中で重要なパートですから、そうおっしゃって頂いて嬉しいです。
気持ち、寄り目にしてみたんですが!(笑