2014年4月2日水曜日

アメリカに無いもの

これはあくまでも私の個人的な印象なのではあるけれど、カナダの人々は概して隣国のアメリカに対して好意的な感情を持っている。

文字通り「お隣さん」的な意識で身近な存在って感じ。

私の周辺の多くの人々は気軽に国境を越えてアメリカへ買物に出掛けるし、展覧会も観に行くし、冬の間の寒さを避けてフロリダなどでは割りと長期での滞在もするし、アメリカ国内に友人や遠縁の親戚も複数持っていたりする人も少なくないので、そういう人々はしょちゅう友人や親戚に会いに訪ねて行ったりしてる。

郵便の料金設定なんかを見ても、「カナダ国内」と「アメリカ」と「国際郵便」の3つに分かれていて、隣国アメリカへの郵便料金はカナダ国内よりも高いけれど、国際郵便料金よりはかなり安く設定されてる。

なので、カナダからアメリカへ引っ越して来て間もなく、簡単な封書をカナダへ郵便で送る際、何気に「カナダへの切手を下さい♪」と頼んだら、「あぁ、カナダは国際郵便料金ね」と無下に言われ、あぁ、アメリカ人にとってカナダは「外国」なんだ、ってのを漠然と思い知らされた。

その後もことあるごとに地元のアメリカ人との会話から、彼等にとってカナダと言う国が意外と身近でない、遠い外国のように認識してる人が多い印象を受けるのは興味深い。

すんごい北の外れの方で北極に近い広大なほとんどツンドラな土地に、氷の家(igloo/イグルー)を作り、トナカイの毛皮で作ったコートを着て、シロクマをペットに、アザラシやビーバーを食べてる、なんて思われてるのかも、とさえ感じるくらいの距離感で。

まぁ、そんなところにも、典型的なアメリカ人傾向(アメリカは世界の中心で何でもかんでもとにかくアメリカがベスト。だからアメリカ以外の世界には興味ナイ、みたいな←大袈裟に言えば、だけど)が垣間見えるような見えないような。


いずれにしろ、アメリカへ引越すことが決まったのを知らせた際に私が受けた、多くのカナダ人たちからの反応は、ちょっとだけ「羨ましいなぁ〜」と言うニュアンスで、それは物価とか税金とか物流に関連していて、アメリカはカナダよりも物や種類が豊富で選択肢も多く、税金が低いから色んなものが安く手に入る、、、そんな固定観念。

だから引越し前は会う人ごとに「あっちに行けばきっともっと選べるし、安く買えるわよ〜」ってな言葉を貰うのが別れの挨拶代わりみたいな感じで。

歯列矯正の歯科衛生士さんにまで、予備のリテイナー(矯正器具の一種)は多分、アメリカで買った方が安く済むから、なんて言われる始末だったし。


まぁ実際、ポテト(+コーン)チップスの類や炭酸飲料水の種類は豊富で安いけど。

あ、あとはそうそう、私の大好きなカリフォルニア・ワインもさすがに国内産だけに、カナダで購入していた時の半分とか三分の一とかの値段で買えるのには感動ものだったりしたのは確か。(フルサイズのワインボトルが4ドル程度とか)


あとはサラダ用ドレッシングとか、冷凍ピザや冷凍食材の種類は確かに豊富。


余りにも多くの人から言われ続けたので、それはもう呪文のように私の頭の中で繰り返し、「アメリカに行けば何でも安く手に入る」ってな自己暗示みたいになってた感があるんだけど、だから余計に、私にとって「あるのが当たり前」みたいにフツーに必須のアイテムが意外にも店頭に無かったりするのを知る際の衝撃は大きい。

先に書いた郵便関連で書くと、「カナダ料金」が無いのに加えて「国際船便」もかれこれ5年前くらいに廃止になったとかで、つまり日本への「船便」がない以上、全ての発送は「航空便」に限定され、だから値段での選択肢が無い。

カナダから日本へ荷物を発送する際いつも、航空便は料金が高いので、特別に急ぐもの以外は全て「船便」で発送してたって習慣があり。

2kg未満の小さな小包が航空便だと50ドル近く掛かったのが、船便ではその半額で送れるのが有り難かった、、、まぁ掛かる時間にすると航空便が1週間で届くのに比べると、船便は4週間と気の長い話ではあったんだけど。

大抵の場合、カナダから送るのはメープルシロップだのクッキーだの、季節の飾り物や文房具だの、いつ届いても問題ない品々がほとんどだったので。


アメリカに越したらきっと郵便料金もお手頃価格になるだろうし、以前よりも気軽に頻繁に日本へバンバン小包が送れる!と、根拠もなく勝手に思い込んでいた私にとって「船便」と言う選択肢のない現実は大きな痛手。


その他、アメリカで売られてなくて驚きと共にがっかりしたもの。


カナダで愛用していた「ハンドクリーム」、アメリカ大手のドラッグストア『Walgreens』にさえも売られておらず、特別に個人注文して取り寄せてもらった『Glysomed』のハンドクリームは、まさかの "Made in U.S.A."ってのが皮肉。


ジェニファー・アニストンがTVコマーシャルしてる『Aveeno』は、割りと人気みたいで洗顔ソープや下地クリームなんかはシリーズで売られてるのに、何故か「化粧水」だけ売られてないって摩訶不思議。


数店舗、廻って見たけれど見当たらないので、店員さん@Walgreensに確認して貰ったところ、注文欄にさえ商品が無いとのこと。


こうなるともう、Amazonで注文するしかないのかも。


子供たちに頼まれて文房具の専門店に行き「Hilroyのノートは何処にありますか?」と何食わぬ顔で訊き、店員さんの困り顔から察した事実。

『Hilroy』のノートはカナダ発祥のカナダのブランドなのであーる。

*まとめ買いして来れば良かったなぁ〜*


って事で、カナダで「ノートと言えば『ヒルロイ』!」って世間に浸透したノートメーカーのノートが今となっては入手困難な優れもの。

正直、カナダの文具はかなりイケてない、、、と思ったものの、そんな中、Hilroyのノートは子供たちが学校で使うノートしてかなり妥当で品質もそこそこ妥協できる信頼のブランドだったから、かなり使い慣れてたんだけど。

アメリカの文具は、正直、カナダよりも更にイケてない。

安価な粗悪品が主流で選択肢も少ない。

いや、多分、もっとそれなりのお金を出せばそこそこ大丈夫なノートとか存在するのかも知れないけれど、日本のスタンダードだと、100円でも充分に素晴らしいノートが買える、って感覚だからなぁ〜。

まぁ逆に日本のノートは、度を越えて必要以上に品質が高い気もするが。


そんなこんなで私の個人的に小さなカルチャーショックはまだまだ続く!


4 件のコメント:

まゆみ さんのコメント...

続々とアメリカでの暮らしの中のカルチャーショックが綴られていて、私は興味津々。
ワインがお安く手に入るのはラッキーでしたね~♪

それにしても、子どもさんたちのノートも
使いなれた物が無いとかは、ちょっと残念ですよね。ハンドクリームも。

船便は、時間がかかっていいものを安く大量に送るのには便利ですものね。その選択肢が無いのはちょっと残念。

でも、アメリカだからこそって部分も沢山あると思うので引き続き冒険を楽しんで下さいね。

yana さんのコメント...

本当にカナダの郵便料金高くて遅いですよね。娘がクリスマスプレゼントなど送ってくれるけど、申し訳なくて。
アメリカの文具、今もそんな状態ですか?ホチキスなんかも全然使えませんでしたよ。娘は去年、パイロットの消せるボールペンがおみやげにいいとたくさんかってました。
私はこの一週間、娘たちの帰国、織物研究所の引越し手伝い、高校時代の友達が(先生をしている人もいて春休みの間に会うことになったから)横浜を案内してといわれて6人を案内したりで超~忙しかったんです。
おまけに、お婿さんがおとといの真夜中に
おなかに激痛が走り顔面蒼白となり救急車で救急病院に運ばれ,幸い大きな病気ではなく腸炎だったのですが、とても寝不足です。救急で血液検査とレントゲンをとって薬が出て,
どんなに請求されるかと娘たちはびくびくしてましたが、23000円くらいだったので安いとびっくりしていました。いずれ保険に請求するにしても、とりあえず払わなくてはいけませんものね。
今日は雨ですが千鳥が淵と近くの県立公園の満開の桜が見れて良かったです。

Mayumi さんのコメント...

まゆみさん♪

ありがとうございます。
思っていた以上にアメリカでのカルチャーショックは意外と多く、とても楽しめています。(笑
アルコール類は特に輸入ものだと税関を通って割高になったりするのでしょうね。

使い慣れたものたちの代替を見つけるのに妥協を要しそうです。
物へのこだわりは、どこで諦めるか?の線引きが微妙なとこです。(笑
過去に日本の製品はかなり諦めたんですが。

船便の選択肢がなくなる事など、想像もしてなかっただけにショックでした。(泣
(航空便最低料金)制限枠も以前の 2kgから 1.8kgに減少してしまいましたし。

Mayumi さんのコメント...

yanaさん♪

そうなんですよねぇ。
クリスマス時期はタイミングの問題もあり、航空便だとべらぼうな出費になるのは痛いです。
まぁ年に一度の特別な贈り物、と思えば納得ですが。

日本からのお土産には、文房具類は最適ですね。
もうセンスとか基準とか、日本の製品は洗練されてますものね。

あら〜、とても多忙に、充実して楽しい時間を過ごされてるのですね〜♪
合間にコメントを頂いてありがとうございます。

母国以外の国で怪我や病気だと、ご本人は不安ですよね、きっと。
医療の水準も制度も違いますから。
それでも日本はまず救急車が無料だし(!)医療費も妥当な感じですよね。
これがアメリカだったら!
きっと文字通り「桁」が一つか二つ、違うでしょうね。
どうぞお大事にされて、残りの時間も楽しく過ごせると良いですね!