2014年3月27日木曜日

加と米の医療くらべ


少し前、Kaitoをアレルギーの専門医に連れて行った際、待合室の壁にとても綺麗な「モザイク」が飾られていて感心してしまった。

どうやらクリニックのスタッフの共同作業をパッチワーク・キルトのように配置して一つの大きな作品を構成してるんだけど。

以前から認識してるのは、どうやらこの地域では芸術とか工芸とか音楽が盛んな様子で、中でもガラスを用いたモザイクの工法は人気があるらしい。

街を歩くとビルの壁などにも大きな作品のモザイクが施行されてたり。

素材がガラスなだけに陽の光を浴びるとキラキラと透明感があって美しく、溜め息。

実は私も以前から、ガラスのモザイクには興味があって、、、てのはいつもの事で。

それでなくとも既にあれやこれやの手工芸に手を出して収拾がつかなくなってるから、これ以上、新しい手法に手を出して本やら材料やら出来損ないの作品やらを増やすつもりは「今のところ」無く、自主的に自分にブレーキをかけてる現状。


いずれにしろ、この専門医のクリニックには、他にも眼科医などが入っていて、明るく清潔な印象の施設の1階にはカフェも入っていて便利。

そして兎にも角にも、日本とは大きく異なる医療制度の中で、カナダでも、アメリカでも、ちゃんと医療サービスを受けられるのは有り難い。

日本もカナダもアメリカも、それぞれに特色があり、それぞれ異なる利点と難点がある訳だけど、カナダもアメリカも広大な国だけに、州毎がそれぞれ一つの国のように医療の現場にも大きな違いがあるように思える。

私自身の経験で言えば、オンタリオ州に比べ、ケベック州での医療はお世辞にも満足と言えるものでは無く、それは慢性的な医師不足に起因するところながら、言語の問題も大きく関わっているように思える。

ケベック州は仏語と英語との間で、不幸にも多くの場面で人々が二分割され折り合うことなく対峙している場合が多く、それは非生産的でネガティブな効果をもたらし、時に人々を不毛に不必要に感情的にさせてる。

医師にも看護師にも、資格の取得に仏語での受験を強いられるので、英語圏から移民した医師や看護師がケベック州でのキャリアを諦めざるを得ないケースも多く、私の身近な友人たちの中にも、本国で医師や歯科医師だった人たちが、ケベック州ではタクシーの運転手だとか、ピザの宅配だとか、内装工事の助手だとかをして生活を凌いでいるのは、医師不足の土壌にあって、何ともナンセンスで納得が行かない。

制度として、医療費はほとんどの部分を税金で賄われてるカナダでは、所得税や消費税が非情、もとい、非常に高く、医師に診て貰った際の支払いは無い。

処方箋が出されれば、その薬を買う費用が掛かる程度。

それでも、日本のように医院を自主的に選んで気軽に行くことは出来ない。

専門医に診て貰うには、ファミリードクターからの紹介が必要だし。

ファミリードクターを持てない人も多く(医師の数が圧倒的に少な過ぎて、多くの医師は既に制限いっぱいの患者数を抱えているから)、その場合、ウォークインのクリニック(飛び込みの救急医療施設とか)へ行くしか無く、そこでは大抵、2時間とか6時間とか、時には12時間とかで待たされる場合も多いらしい。

オンタリオ州からケベック州に引っ越した際、義理の両親のファミリードクター: Dr. W.が私たち一家4人を「追加」で受け入れてくれたのではあるけれど、それでも何だか私たちはあくまでも「おまけ」みたいな待遇で、常に多忙な Dr. W.に予約を入れるのにも気が引ける感じで、なので余程の理由が無い限りは、滅多に医者にもかからないって日常だった@ケベック州。

珍しく予約を入れてクリニックに行っても、最低1時間は待合室で待たされるし、ようやく順番が来てオフィスに通されても、ドクターは何だかせわしなく、はやし立てられるような感じなので、こちらも椅子に座る間もなく立ったまま早口で症状の説明をすると、診断はほんの2分で終しまい〜、みたいな。

専門医に掛かりたくても紹介して貰えない事もあったり。

最低、2年に一度くらいは健康診断して欲しくて、血液のサンプルだとか検便のサンプルだとかを採取された後も、特に異常が見られなければ結果の報告さえも来ず、まさに「知らせが無いのは善い知らせ」みたいに、血液やコレステロール値や諸々の「数値」を見ながらの健康指導を受けるような場面は一切なく@ケベック州。

なので!

アメリカに引っ越してまだ数回しか受けてない医療サービスではあるけれど、ケベック州での体験とは大違いで、とても快適で満足している。

民間の医療保険に加入している限り、私たち患者側は「顧客」なので「お客様待遇」が受けられる。

ケベック州で、健康診断の予約を入れると半年とか9ヶ月とか先でしか予約が取れなかったのが、ここではまず「予約のお電話ありがとうございます」って応対で、しかも予約が同じ週に取れるって事に感動!(←最初は信じられなかった)

待合室での待ち時間もせいぜい15分とか。

オフィスに通された後は椅子にゆったりと座って、医師がこちらの話を落ち着いてゆっくりと聞いてくれるし。(とは言え、最初はクセで、つい早口にあせって説明してしまってる自分に気付き唖然としたんだけど)

問題があれば即座に専門医を紹介して貰えるし。

"Obamacare"の名称で何かと話題の米国での健康保険制度ではあるけれど、取り敢えず、保険さえあれば医療環境も受けられる医療サービスも、カナダのケベック州よりも数段、素早く快適。

個人の経済力によって紙一重に、天と地ほどの差がある米国の医療制度らしいので、ある意味、それはそれでストレスではあるんだけど。

Jon Stewartの 『The Daily Show』の中でも、(誇張されてるとは思うけれど!)アメリカ本土の中でさえも、国境なき医師団みたいなボランティでの医療サービスが行われる地域があり、医療保険に加入してない病気を抱えた人々に医療行為が施されてるのだとか、ってのも、まんざら冗談ではない説得力があるし。

まぁこればっかりは、それぞれの制度にそれぞれの欠陥があるみたいで、何処の国に住んだから完璧ってことは無いような。



5 件のコメント:

まゆみ さんのコメント...

素敵なモザイクの数々がそちらでは、あちこちで見られるんですね~♪まゆみさんにとっては、超ラッキーな出逢いですね。

医療制度は国で大きく異なるものですね。
保険で凄い差が出るっていうのも聞いてますし。でも、とにかく満足のいく医療機関にかかれて本当に良かったですね。暮らしていくうえでも、医療や福祉は生きてく上での根幹に関わる問題ですから、重要ですよ。
ま、それと同じくらい、「食」も大事ですが~(笑)日々色々あっても美味しいものを食べることで乗り切ってる私です(笑)

匿名 さんのコメント...

カラフルなモザイクですね。元気が出るような・・・・・。
医療は大事ですものね。良いところが見つかり一安心ですね。
いろんな面でモントリオールで生活するよりシンプルな生活ができそうですね。
家は主人の母が医者だったので医者に行くという習慣がなく(主人も薬に詳しいので)沢山薬をもらって行き、幸い大きな病気もなく、かかったのは歯医者さんくらいです。一度親知らずが虫歯になり抜くこととなったのですが、主人は全身麻酔は体に悪いから部分麻酔にしてもらうようにというのでそう言ったら、看護婦さんが野蛮人でも見るように私を見たのを思い出します。歯医者さんはそんな国もあってそのほうが体にはいいのだよと看護婦にいってたようなきがします。
やっぱり国が変わるといったいどんな治療をされるのかとどきどきしますよね。

yana さんのコメント...

名前書き忘れました。
yanaです。

Mayumi さんのコメント...

まゆみさん♪

あちこちで素敵なモザイク作品を見掛けるので楽しいです。
明らかに人気があるようで、材料なんかも手に入り易そうですし、ちょっと興味をそそられてます。(笑

北欧の国などもよく比較にされますものね。
アメリカは、医療費がバカ高いので、保険なしで観光に来て病気になったりすると借金地獄、ってのは定説で。(笑
カナダはMRIや手術の順番待ちが6ヶ月とか9ヶ月とかで、その間に病気が進行してしまいそうですし。
日本では救急のたらい回しって話も聞きますから。
一体どこが一番安全なのか?微妙なとこでしょうか。(笑

食べることは毎日の基本ですものね。
美味しいものを食べて、ハッピーに健康でありたいものですね♪

Mayumi さんのコメント...

yanaさん♪

多分、yanaさんだろうな、と思いました。(笑

モザイクって、何だか独特のアピールがありますよね。
色んなカタチや色を組み合わせることが出来るって意味では"free form"って感じの魅力で。

ご家族の中にお医者さんがいらっしゃるのは良いですね!
歯科医療の技術も多分、進歩が激しいでしょうから、当時はまだ現在とは違うかも知れませんが、抜歯に全身麻酔と言われたら私でも抵抗がありそうです。
余談で、うちのTrixie(犬)の歯石を取るのには勿論、必要でしたが。(笑

歯科医師がフォローしてくれたのは良かったですね。

北米で歯の治療を受けるのに慣れてしまうと、日本の歯科医院が個室でないことに抵抗を感じます。(笑