2017年5月31日水曜日

きんぎょ金魚キンギョ


アイテムとしての金魚が大好きなのは、
やっぱり日本人ならではなのかどうか。

特に夏が近づく頃になると
思い出したかのように気になる存在感で。


Etsyで購入した金魚が届き
嬉しかったので、
これまた最近買ったばかりの陶製の器に入れて見た。



そして金魚を使ったミニ額の作品。


ミニアートのサイズは 5" x 7"。


キャンバスの縁をペイントして仕上げようかと思い、
久し振りに画材店に出掛けた。

Mixed media用の絵の具が人気の様子で
レジンとかパステルとかメタリックとか、
面白そうな効果に仕上がる絵の具の新製品が豊富にあり
楽しくなってしまった。

最近は Fiberartばかりで絵を描いてないけれど、
久し振りに何かしら表現してみたいような欲求が沸々と。

試しに幾つかの種類で綺麗な色を買って来た。


そして、絵の具にはまるで関係ないんだけど、
画材店に何故かこんなモノも売られていて。


やっぱりコレは買ってしまうでしょ〜〜〜ぅ。


だって、
その名もずばり "Goldfish in a Bag"(←まんま)な石鹸。

まるで夏の縁日の金魚すくいで貰って来ました♪みたいな。

フツーのグリセリン石鹸にしては高価だったけど。

中に入って固められたプラスチックの金魚が
ホンモノみたいに見える雰囲気で。

郷愁のツボにぐっと来た、、、って感じ!?

家に帰って Erikaに見せたら意外にも
「コレは買っちゃうよねぇ〜♪」
と賛同された。

そ、そ、やっぱり、そうよね。
と改めて納得。


そして昨日、Textile Centerの図書館では
図書館員のナンシーさんから
「ちょっと手伝って欲しいんだけど」
と呼ばれ、
何か持ち運ぶお手伝いかと思って行って見たら
そこには日本で出版された日本語の手芸本が積まれていて驚き。


何の事はない、ちょっとした翻訳の手伝いだった。

さすがに日本語だけの表紙では題名や内容が謎だったらしく、
まぁ写真から想像が付くのではあるけれど。

「ふわふわぬいぐるみ」とか
せっかく可愛らしく形容されたものを中心に
簡単な英語で解説して来た。


「ちりめんの端切れで作る小物」の本とかもあり、
ちょっとだけニュアンスは違うけれど、
「端切れ」が最近、英語圏では "Boro"の通称で浸透しつつある。

多分、古い和布のハンパ生地を指していて、
北米のキルト作家たちが好んで使う背景もあるのかと思う。


席に戻ると、テキスタイル仲間が私に雑誌を見せてくれて、
とっても興味深かったんだけど、
それはドイツで出版されたドイツ語の雑誌だった、ってオチで。

素晴らしくインターナショナルな時代に生きられて幸せ♪


2017年5月23日火曜日

夏日と小鳥の巣

特にこれと言った理由もなくブログをさぼり続けてしまった。

色々と書き留めておきたい事はあったのだけど。

引き続きファイバーアートの手作業は楽しくて飽きもせず作品作りに没頭。

インスタグラムに割りと頻繁に写真をアップしてるので、それで自己満足度が満たされ完結してしまう感じで、ブログまで辿り着かないのが原因かも。

そもそもブログを書き続けること自体「なんで?」って気がしないでもないし。

色んな出来事があり過ぎて、色んな想いが交錯し過ぎて、頭の中がいつも混乱してる傾向にあるから、文章にする行為が思考の整理整頓をする手助けになるって利点は大いにあるかと思うけれど。

言葉って本当に難しいと思うし、人との関わりも本当にその時勝負な気がする。

余計なひと言を発してしまったり、逆に言葉が足りなかったり。

一日の終わりに反省する事ばかり。

その日に起こった場面をもう一度やり直す事が出来たら、もっと別の言い方をしたり、足りなかった言葉を補足することが出来るのに、と。

同じ内容を伝えるのに、選ぶ言葉や言い回しで印象がまるで違ったものになるのは、それが日本語であれ英語であれ同じことで。

相手に誤解を与えることなく明瞭で適切な言葉を使い、しかもぶっきらぼうでなく、丁寧でポジティブな表現の言い回しが出来るのが理想で、目指してるところではあるんだけど、でも難しい。

会話は、流れに乗ってその場のタイミングで喋らないといけないし、だからやっぱり頭の回転が速くないと、ってので、普段から頭の訓練をする必要性を感じる。

家に籠って孤独な作業に没頭しつつ脳を刺激する訓練は難しいなぁ〜。

アメリカで就労出来るヴィザを取得したら外に出て働こうかな、なんて。

外部からの刺激が無いと、体も脳も老化するのが恐ろしく速そうで怖いから。

歩道でつまづいて転んでコンクリートの地面に顔で着地して擦りむいた頬の傷が、なかなか元に戻らず、仲間の勧めもあってクリニックに行って来たんだけど、ひょっとしたらアザとして残るかも知れない可能性を示唆され、ちょっとした衝撃だった。

その可能性は考えても見なかったので。

顔に痣って、例え幾つになったとしても、やっぱり(一応)女性としてはショックな事なんだなぁ〜ってのをぼんやりと実感しつつ。

コンシーラーとかファンデーションとかで覆い隠す手立てがあるにはあるけれど、普段、フェイスパウダーしか使わないし、重いメイクは好きじゃないから、何だかとっても不自然な気がして、ありのままの自分を偽るような抵抗感もあり、多分、パス。

そんなあれやこれやをうだうだと考えつつ。

ミネソタの天候も夏日だったり冬に戻ったり、不安定感がハンパなく忙しい。

数週間前の週末は晴れて夏のように暖かで、サンルームのドアを開け放ち網戸にし、冷蔵庫からレモネードを取り出して飲みつつ、久々に夏ならではの味わいが懐かしく爽やかで、大好きな季節の解放感をしみじみ満喫してた。

その延長で、家族揃って近所のアイスクリームショップに出掛けたりもして。

*yelpからの画像*

*yelpからの画像*


近所の人達が徒歩でやって来るような店で、メニューにはハンバーガーやホットドッグなんかもあったりして、食事とデザートが同時に楽しめる。


*yelpからの画像*


ソフトクリームにはもの凄い種類の味が選べて迷ったけれど、取り敢えず私は「アイリッシュ・クリーム味」を試してみた。

安くてそこそこ美味しくて、アメリカならではのカジュアルさと夏ならではの解放感と、ゆったりとのんびりと、この上ない幸福感。

そしてそうそう、家の裏庭側の軒先の去年と同じ場所に再び、小鳥が巣を作り卵を温めている模様。


無事に雛が孵って巣立ってくれるといいな〜と楽しく見守ってるところ。


2017年5月8日月曜日

〆は桜餅で


引き続き先週金曜日の午後の話。

ミネアポリスの美術館:MIAにて、Guillermo del Toro監督のお宅を訪問する錯覚の企画展 "At Home with Monsters"をたっぷりと贅沢に時間を掛けて楽しんだ後、外に出ると、隣の敷地に集まった若い人達が何やら音楽を演奏して、観客の数人が気持ち良さそうにリズムに合わせて踊ってる場面に出くわした。

折しも満開を少しだけ過ぎた感のクラブ・アップル・ツリーの花が散って、やさしい春の風に吹かれヒラヒラとその淡いピンク色の花びらが舞ってコンクリートの地面の上に落ちる様は、まさに日本の桜?って感じの雰囲気そのもので。

音楽と相まってちょっとした「お花見」気分?

これで焼きソバとかタコ焼きとか、片手にビールがあれば完璧だな、と。

でも当然ないし、公共の場でお酒も飲めないお国柄だからさっさと退散。

夕食時に向けお腹も空いて来たので、隣町のレストランに車で向かった。

*"yelp"で拾って来た画像*


行った先は私たちにとって初めての『たんぽぽ』と言う名のレストラン。

この間 DVDで初めて映画『タンポポ』を観て以来、本格的なスープで食べるラーメンが恋しくて、たまたま Davidが検索して見つけた "Noodle Shop"がその名もずばり『たんぽぽ』だったと言うオチで。

*"yelp"で拾って来た画像*


しかもこの店、セント・ポール市で17年間も繁盛して来たらしいのに、今月を以て閉店するらしく、だったら是非、その前に行ってみたいと思ってた矢先だった。

*"yelp"で拾って来た画像*


本格的なラーメンを食べる気満々で入ったンだけど。

何とびっくり! "Noodle Shop"の "Noodle"は蕎麦とうどんのみだった。

え”ぇ〜〜〜っ、とちょっとだけがっかり残念ではあったのだけど、蕎麦とかうどんとかならば、割りと家でもそれなりに美味しい我流のものが作って食べられるから、敢えてレストランで食べる必要性も感じられず。

それでまずは「揚げ出し豆腐」を前菜に注文し、幾つかの種類のある「定食」の中から、私は「焼き鯖」と「混ぜご飯」での定食を選んだ。

全くの余談ではあるんだけど、意外とアメリカの地に浸透してるっぽい印象の「揚げ出し豆腐」なのではあるにはあるが、何しろ英語で書くと "Age-Dashi"となり、和食に縁の無い人々は、それを "アゲ"と読まずに "エイジ"と発音し、何だかまるで "Aged/エイジド"な豆腐?って感じで、「寝かせて熟成させた、まるでチーズやワインみたいな存在感の豆腐?」な路線になりつつある誤解の危険性もあったり。

*"yelp"で見つけた「焼き鯖定食」の図*

*私が注文して実際に頂いた「焼き鯖定食」の図*
まぁほとんど一緒だけど、でもご飯が混ぜご飯になってる♪


和風の焼き魚は大好きなので、どんな魚でも大抵の場合とても美味しいと感じる。

Davidが注文した「鶏の唐揚げ定食」も味見させて貰ったので特に、バランスのいい食事内容な気がして満足度も高かった。

ま、量的には控え目なので、凄くお腹が空いてる時とか、あとは多分、体格が良く?大食な北米人にとっては物足りないんじゃない?と思わず余計な心配してしまうくらいなボリュームだった印象。

なのでデザートが食べられるお腹のスペースに余裕があった。

なので「サツマイモのクレーム・ブリュレ」を Davidと分け合って食べたんだけど、言われなければサツマイモと意識しないくらい自然な味わいで美味しかった。

そしてそして、私は目ざとくメニューの中に「桜餅」を見つけ。

実はこのところちょうど春先でもあるし、日本から桜の便りが入ったりする度、懐かしい桜餅の存在を思い出し、あの独特の風味を味わってみたい欲望に駆られてるところだったのだった。

なので「なんてこと!」「何てタイミングがいいの!」と余りのタイミングの良さに独りで心の中で小躍りしつつ、とは言え高価なので、一つだけの桜餅を「持ち帰り用」に丁寧に仰々しく包んで貰った。

Davidは和菓子が好きじゃないので、私が一人でこっそり愉しむ甘味の時間。

*桜柄の特別な器に乗せて♪*


せっかく買って貰った高価な桜餅を一晩放置して硬く不味くしても勿体ないから、家に帰って直ぐお湯を湧かして緑茶を淹れ、「むふふ♪」と有り難く頂きました。

何とも微妙な味わいの桜の葉っぱに、こしあんの甘さが何とも言えず絶妙♪

まさに「日本の春の味覚」だわね〜。


おまけの話で、『たんぽぽ』を出る頃にはテーブル待ちの客が数名、入り口付近で待ってたりしたんだけど、ドアの外に足を踏み出すと、そこには何と!フラメンコの練習をする女性が二人、楽しそうに踊ってた。

その一方では年配の男性たちが椅子を外に持ち出し並んで座り、それぞれの楽器(トランペットやサクソフォーンなど)を担当してジャズ・バンド風に音楽を奏でる練習をして、それを楽しそうに聴く人々がいたり。

これからの季節ならではの解放感が本当に楽しい気分にさせてくれて大好き。

とは言え、家に帰った後で気付いた。

何でさっさと帰って来ちゃったんだろう?

もっと立ち止まってのんびり+ゆったりとその場で生の音楽を気ままに楽しんで来れば良かったのに?と少しだけ後悔。


MIA: Bleak House

先週の金曜日は夏日を思わせるような陽射しでお天気も良く、Davidが仕事を早めに切り上げて午後の3時(おやつの時間♪)前に帰って来たので、二人で "MIA: Minneapolis Institute of Art"(ミネアポリス美術館)に出掛けた。




余談で、北米の企業では所謂「フレックス」時間で勤務することの環境があるので、仕事内容に滞りがない限り、出勤時間も帰宅時間も個人の判断に委ねられていて、だから当然、タイムカードとかもなく、日本のような慢性的な残業もなく、仕事が終わった後で(自分の意思に反して)上司と飲みに行ったり、得意先を接待したり、というなんて事は勿論ないし、しかも長期休暇(病欠とは別に)も2週間とか3週間とか、連続して取ることさえも可能なので、日本からのニュースとして聞こえて来る「過労死」は、まるで理解の範疇を超えた事象で、「どうしてそんな事が起こりえるのか?」多くの北米人にとっては謎なんだろうと思う。


MIAでは現在、今月28日までの限定で企画展が開催されていて、映画監督 Guillermo del Toro氏の仕事や収集品などが観られる展示。

その名もずばり『Guillermo del Toro At Home with Monsters』というタイトル。

*監督の別宅の玄関ホールは「こんな感じ」らしい、スゲぇ〜*


何だかまるで「del Toro監督のお宅(オタク?)へ、ちょっくら遊びに行って来ましたよ〜♪」みたいな濃い体験。

入り口の壁に「眼」が付いてて、それがパチクリ動いてる様相は、何だかちょっとした「お化け屋敷」に入る時のドキドキする気持ちと似てる感じ。


展示物の中には↓こんなのもドォーンとあるし。


多分、これが実際にデル・トロ監督の別宅玄関で
訪問者を見下ろし出迎えてくれるんじゃないかな?と想像。




彼の映画に登場するモンスターの他、

監督のオタクっぷりが解る個人的な収集品も沢山。





展示はモンスターや収集品の他、デル・トロ監督の作品の映像が流れていたり、絵画やデザイン画、衣装なんかも豊富にあって見るのが楽しかった。

私自身は最近特に暴力的な描写やグロテスクな映像に弱く、そういう意味での怖い映画から疎遠になっているので、デル・トロ監督の作品が特別好きだったり詳しかったりする訳では無いんだけど。


だから最近亡くなった、有名な日本人としてハリウッドで活躍されたコスチューム・デザイナーの石岡瑛子氏の作品が展示されてるのを見るのも、私にとってはちょっとした発見だったり。

いずれにしろ、デル・トロ監督の企画展を観て思ったのは、人間の想像力とか創造性の素晴らしさは勿論、そういった能力を発揮する場を得た人に対する賞賛の気持ち。

あとは成長する過程の子供時代に受ける刺激や置かれた環境から受ける影響、体験したイベントから受けるインパクトの大きさが、その後の人生にとってどれほど大きく重大であるかを改めて思い知らせれた。

私自身、親であるので、果たして自分の子供たちの今後の人生、つまり彼等の将来の可能性にとって、どんな影響や作用を及ぼしたんだろう?と考えると怖くなる。

あとは親子の関係や家庭環境に関わりなく、「子供の頃から雨と雷が好き」と言う理由で、デル・トロ監督の "Bleak House"には24時間じゅういつでも雨降りと雷と稲妻が(音響と映像の効果で)継続する部屋があって、集中力を要する仕事にはその空間で作業に没頭するというのにも感嘆。





美術館につきもののギフトショップを覗くのは楽しく、今回は企画展に因んだ関連商品も売られてたのだけど、どれも値段設定が高く、見るだけ。

とにかく、ちょっと怖くて楽しい企画展だった。


パイナップル+フラミンゴ

週末に掛けてお天気が良かったり外出したりで色々と楽しい体験があったのではあるけれど、なかなかブログに書くのが追いつかず。

それとは全く関係なく、Kaitoはちょっと鼻風邪を引いていた。

気温が毎日15℃前後もアップしたりダウンしたりだから、体調を維持するのも大変な現実があるのは確か。

ちょっとだけ具合の悪い Kaitoが学校の授業の無い日の平日、家に居たので「お昼、何を食べたい?」と訊いたら卵サラダのサンドウィッチ♪と言うので作ってあげた。


デザートには、イースターのチョコレートがまだ残ってる。。。


暖かくなって再びサンルームで食事を楽しめたりするのが嬉しい。

この家のサンルームは残念なことに冬場はとても寒いから、冬場にこの空間で太陽の恩恵を受けることが出来ず、ほとんど機能停止状態となってるので。

食材の買出しに出掛けた 『TARGET』で、苺やパイナップルを買ったんだけど、雑貨の売り場には、まさにそんな気分を反映して「夏」をイメージさせる楽しい雰囲気の商品が並んでて、特に「パイナップル」と「フラミンゴ」はお約束♪ってな感じにポップでキュートで取り敢えず一番手頃で身近なところで実際に使えそうなモノに手が伸びた。


こうして見ると、やっぱりパイナップルもフラミンゴも本当にそのまんま可愛いデザインのアイテムなんだなぁ〜と、しみじみ納得。


2017年5月5日金曜日

企画展オープニング


昨日はミネアポリスのテキスタイル・センターにて、新しい企画展が始まるパーティがあり、Davidに少し早めに仕事から帰って来て貰い、二人揃って出席した。

そう言えば、昔から聞いたことのある話ではあるけれど、「北米のイベントでは夫婦が揃って参加する」ことが儀礼になっている、ってのは割りと嘘ではないかも、なんてのを改めて実感してみたり。

だって、このイベントに直接関係してるのは私であって、Davidはまるで関係ナイ訳だから、多分、私が一人で出席しても問題ないとは思うだけど、それでも実際に行って見ると、やっぱり他のメンバーもほぼ皆パートナーを伴って出掛けてるので、社交上でのカップルの相互サポートの強さを感じる。

私が関わってるグループの作品展が、二次的な小規模ギャラリーで開催中。

今回出展してるのはメンバーの中の10人程度でのグループ展。

私が出展してる作品は、例の "Klimt/クリムト"シリーズで、彼の絵画を3Dのファイバー・アートとして表現したもの。

人物をニードル・フェルティングで作り、シャドーボックスの背景をラグ・フッキングやかぎ針編みなどの手法で作りセッティングした3点と、あとはクリムト本人像を単独で計4点での展示。

ギャラリーに展示されてるのを今週の火曜日にひと足早く見せて貰い、最後の手直しをしたんだけど、どうにも気になるのがガラスのケースに入れられたクリムト像。

彼の絵画作品には有名なものも多いけれど、今回認識したのは、当然の事ながら「知らない人はまるで知らない」って事で、クリムトの一般に良く知られた絵画でさえ、見たことはあっても記憶に留めてない人ってのは多くて、それはちょっとした驚きでもあった。

私は特別にクリムトの作品だけを愛してる根強いファンと言う訳でもないけれど、彼の多くの絵画は勿論、ゴッホだとかモネだとかシャガールだとか、一般に良く知られて人気の作品は割りと明確に記憶の中に焼き付けられていて、それは多くの日本人も同様かと思うんだけど。

北米の人にとってはそうでも無いみたいで、それは教育の違いなのかどうか。

とにかく、そんな背景であるから、画家としてのクリムト本人を見せられても、「このオジさん誰?」みたいな状況なのは仕方なく。

自画像を描いていて、それが良く知られたゴッホなどと違い、クリムトは彼自身の自画像を描いてないのか、当時、白黒で撮影された彼の写真なども、目にするイメージが限定されてるのを考えると、やはり多くは残ってない印象で、だから世間に余り知られてないのも納得なのではあるけれど。

*「アデールの肖像」と並べれば、ひょっとして
この絵を描いた画家?ってなヒントにもなるかも知れないけれど*



*クリムト彼自身を単独でディスプレイすると
この猫を抱えた冴えないオジさんは誰?
ってな事らしい*



まぁ、そんな懸念がもやもやと頭の中にあったことに余り意識はしてなかったんだけど、木曜日の午後になって、ふと私の頭の上で電球がピン♪と点灯したように。

そうだ!クリムトの人形が「本人」であるというヒントになるように、画家のシンボルである「イーゼル」を小道具として一緒に展示して貰おう♪と思い付き。

クリムトの画像集の中から敢えて彼の未完成作品を選び、それを模写。

*"Lady with Fan"のイメージを 5"x7"のキャンバスに慌てて描いて
丁度いい色では無かったけれど黄色の絵の具で背景を塗った*




*クリムトの人形と同等の背丈くらいの小さなイーゼルに乗せて*



本当に文字通り5分間くらいでパパッと仕上げたミニキャンバスの作品なのではあるけれど、これを早速テキスタイル・センターに持参し、ディレクターのクレイグさんを見つけると、彼にガラスのケースを持ち上げて貰い、イーゼルと共にササっとディスプレイ台のクリムトの隣に忍ばせた。

まぁ、それで効果があるかどうか分からないけれど、少なくとも「セント・フランシス?」って説からは遠退くかも?

あとはそうそう、オープニングのパーティと言うことで、ちょっとした飲み物とクラッカーにチーズなどがテーブルに並ぶんだけど、私も何か持参したいと思い、せっかくなので "Tim Hortons"のティムビッツを持って行くことに。

時々行く店では余り多くのティムビッツが並んでない事も多く心配だったので、予め午前中に電話をして、「色んな種類を混ぜたティムビッツを100個」箱に入れて用意して貰えるよう注文しておいた。

大きな箱(ドーナツが12個入るサイズ)にぎっしりと入れられた100個のティムビッツは、「カナダのドーナツ」として地元のアメリカ人達には未だ目新しいこともあり、あとは小さなサイズで気軽に食べられるし、しかもアメリカのドーナツ(ダンキンとか)よりも柔らかくて美味しいし、やっぱりこの場でも人気の手土産となって成功だった。

新しく出店したティム・ホートンズの店がこの地に根付くよう願ってる私にとっても、店のプロモーションにもなったし、しかも値段も手頃(100個で$17程度)だし!

一石二鳥というか好い事尽くめ。

そして更なる余談で、この企画展に因み、予め Etsyで買って置いた特別なイヤリングを付けて行ったのだった。

*クリムトの作品がイヤリングに!*



購入する際には気付かなかったのだけど、このイヤリングを作って売ってる作者さんが偶然にもミネソタ在住でちょっとした親近感を覚え、その後、Etsyでの会話の後、お互いのインスタグラムをフォローし合う事になった。

縁があれば、いつか対面することも不可能ではない距離感で。

そういうのもちょっと面白いな、と思う今の時代ならではのインターネットでの出逢いや人間関係の可能性。

2017年5月2日火曜日

力うどんラーメン

昨日は「いよいよ今日から5月〜!」とか思ってた矢先、降り出した雨に何やら白いものが混じりだし。


樹々は新しい芽を吹き、芝生はすっかり眩しい緑色になってたのに。


あっと言う間に白くなって冬に逆戻り。。。えぇ〜5月なのに!?って感じに。

モントリオール郊外もそうだったけれど、春が来て、20℃越えの日が何度かあっても、5月はまだまだ油断ならない気候帯だったのよね〜を実感。

雪が降るくらいなので、何だか薄暗く、気温も上がらずに寒い一日だったのだけど、そんな天候を予測して計画したみたいにお昼に温かいスープ麺を食べた。

と言うのも、前日に Davidが図書館で借りて来た映画の DVDで伊丹十三監督の『タンポポ』を今更ながらに初めて観て、予想通りにもの凄くラーメン(北米のスーパーで売ってるようなインスタントじゃなく本格的なの)が食べたくなってしまったから。

少し前にアジア系食材店に行った際に買った、本格的なラーメンスープの素がまだあったのを思い出して、嬉しくなった。

しかも、たまたま学校が休みで Erikaも家に居たので、独りだけで食べるより作り甲斐があるような気もしたし。

残念だったのは、本格的なラーメンスープの素がせっかくあったのに、次に肝心なラーメンの麺が無かったこと。

それでもめげずに「うどん」の麺で代用。


Erikaと二人でトッピングどうする?と話しながら、丸餅を焼いて投入したり、「乾燥ワカメ入れてみる?」とか、本来たぬきうどん用と思われる「天かす」も入れて見たり、長ネギと七味唐辛子で完成させたソレは最早、うどんなのかラーメンなのか、良く解らないシロモノになっていて。

それでも何だかとっても美味しくて満たされた感じのした昼食だった。

食べたいと思い描いた味が食べられるのが一番美味しいタイミングなのよね。

その後、たまたま Davidが入手した地元のニュースで知ったのだけど、何ともずばり "Tanpopo/タンポポ"と言う名前のラーメン・レストランがこの地域にあるらしく、しかも、かれこれ17年も続いて人気だったらしいその店が今月、閉店になると言う事で何だか驚き。

これはもう是非、閉店する前に一度、記念に行っておかないと!