2015年11月1日日曜日

アトリエ訪問



木曜日、ラグ・フッキング仲間の Jayneさんから電話があって、
「明日(ここから車で1時間半くらいの場所である)フッキングのイベントに行こうと思うんだけど、せっかくなので一緒に行かないか誘ってみた」
って話のついでに、更年期障害の気分の落ち込み体験なんかの話も聞いて。

本来ならば、是非、一緒に乗せて行って欲しかったンだけど。

金曜日の午前中には、数週間前からの約束が入っていて、それはラグ・フッキングの世界では有名どころの作家である Tish Murphy/ティシュ・マーフィさんから、個人的に彼女のアトリエに招待して貰ってたので、とても楽しみにしてたのだった。
http://www.tishkits.com

アメリカに引越して以来、割りと名の知れた作家さん達が身近なところに存在していて、カナダに住んでた時と違って、有名な作家さんが「手の届く所にいる」って感じの距離感を新鮮に感じてる。

カナダでは漠然としか捉えてなかった沢山の作家さん達の名前が、今は、実際に本人たちに会える距離にあって、希望すれば、彼女たちから直接、指導してもらったり、イベントでのクラスに参加したり、デザインも直接、購入したりってのが可能。

とは言っても、私自身はデザインを買う訳でも、クラスを受講する訳でもないから、余り影響は無いんだけど。

買った経験が無いので知らなかったのではあるけれど、有名な作家さんのデザインを購入すると、フッキングする為の布地にプリント(または油性のマーカーで描かれてる)されたものが、100ドルとか200ドルとかするらしく驚いた。

人によっては、作家さんが指定する色合いのウールを、そのデザインを完成するのに必要なだけ指示されて購入するって場合も多く。

つまり、他人が描いた絵に、他人の指示する色でフッキングする、まるで「塗り絵」(独自の色彩で楽しむ塗り絵とは別だけど!)みたいな作業のフッキングで。

それはやっぱり単純に「手芸」と言うプロセスを楽しむ趣味なのだろうと思う。

そんな訳で、プロの作家として活躍してるティシュさんなので、彼女が自身で描いたデザインを販売したり、出張での講習を開いてたりと、さぞかし多忙なのだろうと想像するにも拘わらず、出逢ったばかりの私をお茶に招いてくれたことに感動してた。

イベントで偶然、隣の席に座った際にお喋りが弾んだので、その延長で。

70代で小柄な彼女は、トレードマークのような大きめの眼鏡を掛け、黒が基調なファッションに身を包んでる事が多いらしく、グレー混じりの髪型や雰囲気が、ファッション・デザイナーを連想させる。

そして笑うととっても可愛らしい。

招いてくれたアトリエは、彼女が仕事場として専用に使っている小さな一軒家で、生活している家からも徒歩で20分程度なんだそう。

ドアを開けると、そこには彼女の作業机があってミシンがあって。

2つ並んで置かれたソファに腰掛けてお茶を飲みながら話したんだけど、空間の至る所に彼女の作品や材料や、あとは色んな書籍などの出版物や、写真や、あれやこれやと目を引くものが沢山あって楽しかった。

まるでドールハウスを思わせる、こじんまりとして可愛いキッチンをはじめ、ひと通り家の中をツアーしてくれて、あとは彼女の作品集を見せてくれたり。

現在、奮闘中であるクリスマスのプロジェクトは、羊の絵に羊毛を所々ニードルで刺して色を付けたデザインのグリーティング・カードとか。

そもそも、彼女がカナダ人であると言う背景でも共通の話題があり。

離婚を2回経験し、現在は3人目のご主人と言うのも、プロとして活躍するクリエイティブな人柄の彼女を思えば違和感なく、、、と言うか、実はそういった生活臭みたいなものが余り感じられないので、実は独身なのかと思ったくらいなのだけど。

とにかく、プロの視点から見た私は、未熟なのだろうとは思うんだけど、未完成で洗練されてない粗野で荒削りな私のフッキングの手法に、何かしらの可能性なのか、或は現状ならではの魅力なのか、を見出して評価してくれてるらしい。

なので私自身、「未完成で不完全なもの」に惹かれる魅力は大きいので、多分、この先、何年フッキングを継続したとしても、綺麗に目の揃った作品を作り上げる事は無いかも、、、つまり、世間でいう「完成度の高い」ラグというものを作ることが自分の目標ではない、と言う話題にも触れ。

そういう意味では "Wild"で野生的なラグ・フッカーの肩書きと言うか称号。

引き続き、型破りで独自のフッキングを目指そうと思う。


*ミネアポリスにある Tishさんのアトリエに向かう途中
素晴らしい銀杏並木を通り掛り
思わず車を下りて携帯で写真に収めた図*




2 件のコメント:

yana さんのコメント...

ミネソタに住まわれてわずか2年足らずで本当にいろんな方と知り合われましたね。
このような展開になるとは・・・・私もびっくりです。

今のようにパソコンもなくあまり情報のない時代でしたが、フイラのすぐ近くで時々覗いていた手芸屋さんのオーナーがパッチワークの立派な本を出している先生で、お教室もやっていることを知り教えていただくことになった時もすごくうれしかったわ。

いろんな出会いがまゆみさんの作品をさらに進化させること間違いありませんね。

11月になっても木々に葉が付いているなんて珍しいですね。
今年は一カ月くらい遅いのではありませんか?
一日でも長く暖かな日が続きますよう!

Mayumi さんのコメント...

yanaさん♪

2年足らずでも、もっと長く暮らしてるような錯覚さえするほど、内容が濃かったンだろうと勝手に納得しています。(笑

アメリカは、さすが人口密度も高いしニーズもあるしで、プロとして活躍されてる手芸家の方は多そうですよね。
趣味を通じての出逢いには、可能性がある気がしますね。
カナダでは、社交のクラブに入ったりしましたが、共通の話題性を見つけるのに時間が掛かったりして。(笑
類は友を呼ぶ、、、とも言いますが、むやみやたらに友達を作ろうとせずとも、自然に任せて、自分と似通った人との出逢いを待つのもアリだな〜なんて実感してます。

サマータイムが終了したと言うのに、今週はまだまだ日中の気温が20℃近くまであるらしいんですよっ!
何だかとっても温暖で、とても過ごし易くて助かってます。
でもやっぱり例年に比べると、異例ではあるみたいですね、多分。
ありがとうございます。