2011年5月7日土曜日

Kitchener: Morrison Roadの思い出

水曜日は友人 Lindaと待ち合わせて、オーガニックがコンセプトのCaféで軽いランチに野菜たっぷりのスープを頂いた。

気温は5℃前後で寒く雨模様だったので、何か温まるものが欲しかったから。

2つの公立学校で美術講師をする彼女が最近、直面している仕事上での話は私にとって新鮮で触発されるし、日々の生活の中で社会に出て格闘する場面や、それについて第三者に評価して貰える機会のある彼女が何だかとても羨ましくて、思わずそう口に出してしまった。

私も外に出て社会と関わりたい欲求みたいなものが最近、ふつふつと湧いて大きくなってる感じ。

地域でのボランティア(学校の図書館で本の貸出しとか、独居シニアの訪問とか、その他)は既にあれこれ試したので、次はもっと飛躍してパートタイムで働きたいンだけど、要求されるのが英語&仏語のバイリンガルってのが前提なので、英語&日本語のなんちゃってバイリンガルの私にとって、ちと壁が高い。


木曜日はせっせと家事に勤しみ(ってのは嘘だけど)、金曜日は友達のHalehと待ち合わせてレストラン『Eggspectation』で一緒に朝食を楽しんだ。

卵料理が「売り」の多店舗展開の店だけど、出店先がカナダ、アメリカ、そして何故かインドってのが面白い。

Halehは苺のワッフル、そして私は何処の店に行っても注文する定番の「Eggs Benedict」でSmoked Salmon Benedict。美味。


金曜日の夕方には、オンタリオ州Kitchener-Waterlooに出張してたDavidが、RIM社からお土産に貰ったBlackBerryのPlayBook(MacのiPadみたいな)を持って帰って来た。私へのお土産の洗濯物もどっさり持って。

私たち家族がKitchenerに暮らしてた頃の、家族ぐるみでの友人はまだ何人か現地にいるんだけど、そのうちの一家 GonzalezさんちのJorge(ホルヘ@メキシコ読み)&Denise夫婦に招いて頂き再会、夕食をご馳走になったらしい。

『PlayBook』で撮って来た「ビデオ・レター」みたいに、映像の中で私に向かって話し掛けるJorgeとDeniseの姿が、以前と余り変わらず元気そうで嬉しかった。

メキシコからの移民のGonzalez夫婦は、二人揃って本当に純粋に誠実なカップルで、これまでの私の人生の中で出逢った人々の中で最も「善人」と呼ばれる種類の、信じられないくらいに悪意の無い、心の中の闇みたいなものの存在を微塵も感じさせない人たちで、だから私は、彼等と会う時いつも何となく後ろめたい気分になるのよね。

自分の中の打算とか見栄とか欲望とか、あれこれピュアじゃない部分を見透かされてしまうような気がして。
(飽くまでも勝手で一方的な被害妄想なんだけど)


「あとは、ここにも行ったよ」とDavidが私に向けた映像を見て、私は凄く動揺して思わず泣きそうになってしまった。

そこには、私たちが以前暮らした、大好きだったMorrison Roadの懐かしい家が写ってたから。

カナダで初めて所有した、大きな松の木々に囲まれた、カントリー・スタイルの素朴なキッチンに朝陽が差し込む、子供たちが走り回れる広いファミリー・ルームが地下にある、私たち自身が好きなように内装工事をした、アンティークのバスタブのある、玄関脇の花壇にJapanese Mapleが植えられた、思い出深い家。

同時に、思いもせず空き巣に入られて愛着のある品々を持ち去られて失ったり、Davidの仕事の事情で引越しを決め売りに出さなければならなかったり、残念な想いも残したままの家でもあったり。

今よりも更に悶々としながら、どうやってこの国で生きて行けばいいのか?毎日、幼い子供たちの面倒を見ながら一喜一憂、悲喜こもごも、泣いたり笑ったり泣いたり、そしてまた泣いたり。

言葉もまだ不自由で何もかもが思い通りにならず、不当な扱いを受けて(多分、半分は被害妄想)悔しくても泣き寝入りしか出来ない自分が情けなかったり、不安に押し潰されそうになりながらも、何とか将来への可能性を模索しつつ無我夢中で過ごした日々の私の歴史がぎっしりと詰まってる場所。


何を思ったか?Davidは、かつて住んだ懐かしいこの家を訪ねただけでなく、現在の住人に挨拶もして来たらしいからびっくり。

書類上の手続きだけで面識が無かったけれど、私たちから購入した女性が家をとっても気に入って、その後もずっと住み続けてるのを聞いてちょっと嬉しかった。
(北米で家屋の売買、引越しは頻繁なので)

彼女(現在の住人)から特別な私への伝言があるそうで:
「あなたが大切に手入れをしてくれてた庭の花壇には、今でも毎年、春になると多年草(球根とか)の花が綺麗に咲きますよ。腕の良いガーデナーですね。」

それを聞いて何だかとっても嬉しかった。

私が植えて愛でていた Japanese Maple(日本楓、又はもみじ)は残念ながら、ある年の厳しかった寒さにやられてしまったらしいけど。

まぁ、それは仕方がないか。。。

4 件のコメント:

まゆみ さんのコメント...

Mayumiさんが、思わず泣きそうになった気持ちがわかるような気がします。

ある意味、そちらでの生活の中で最も濃縮された思い出が詰まった時期でもあったからでしょうね。それが、走馬灯のように駆け巡ったのでしょう。

それにしても、今そこに住まれてる女性が
このお家を愛し、しかもMayumiさんが手入れされたきた庭を喜んで下さってるのが何より嬉しいですね。

いつかご夫婦で訪ねることができたらいいですね。

匿名 さんのコメント...

何か良い話ですね。

お家に住んでる方が良いガーデナーと言った言葉に全てが集約されてるような。

辛い経験もあったけど実を結ぶ事が花壇に現れているようでちょっと胸が詰まり私まで貰い泣き。(何でアンタが)って感じですがwww

お話を伺いに行ったご主人のお茶目さに感謝ですね^^

なんか良い話で嬉しくなったからケーキ買ってお祝いしよう!!

だから何のお祝いって突っ込みは無しで・・・汗。

トリキシーちゃんのへびさんこんにちわが妙にツボにはまり ニターとしながら写真見ました。

相変わらず可愛いお姿でたまりませんな~~。


Mutsuko

Mayumi さんのコメント...

まゆみさん♪

無我夢中で過ごした期間での思い出が詰まった場所って、ほんとに何だか、自分の一部と言うか、過去の自分がそこに残ってるような錯覚がするんですよねぇ。

「家」ってものに対する執着心も割りと強いみたいで、その箱の中には永遠に思い出が詰まってるような。(笑

多分みんな誰でも、そういう場所をあちこちに持ってるんでしょうけどね。

Mayumi さんのコメント...

Mutsukoさん♪

うふふ。
ケーキでお祝いありがと〜。
って、
だから何のお祝いだっけ?
(一応つっこみ入れとく、みたいな)笑

家とか庭とかって、想い出とか気持ちとか執念とか怨念とか(オイっ!)色んなモノが残る気がします。
地縛霊みたいに。←おいおい

Mutsukoさんは転勤族で、だから色んな土地毎に切ない想いも残したりしてるんじゃないかな〜?なんて想像してます。